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第九章・10
今度はルキアノスがくっくっ、と笑いながら、いいようにギルを責める。
舐める程に色を増し、ぷっくりと勃ち硬くなる乳首を、舌で弾き、唇に挟み、甘噛みしながらギルの反応を楽しんだ。
ひゅっ、と息が鳴る。
快楽に耐え兼ね身じろぐギルをしっかりと抱き込み離さず、ルキアノスは彼を甘く意地悪くさいなんだ。
「早く……、来てくれ。ルキアノス……ッ」
息も絶え絶えになりながら絞り出されるギルの訴えを、ルキアノスは軽く笑ってやはり苛めた。
「ダメだ。俺がもう少し満足してから」
そう言ってギルの手を取ると、自分の股間に導く。屹立したペニスを掴ませ、逆にねだるのだ。
「すまない、ルキアノス。実は少し眠いんだ。早くしないと、このまま寝落ちてしまう」
そんなギルに、ようやく重い腰を上げたルキアノスだった。
(このまま引き延ばして、今夜こそ泊まってもらおうと思ったんだけどな)
しかし、眠いなら眠いで、散々ベッドで疲れさせて朝までそのまま熟睡させる手もある。
先程使った涼感のある刺激性ジェルではなく、常温の滑らかなローションをルキアノスは選んだ。
「いくよ」
「う……ッ。ぅくぅうッ」
ギルの体は、難なくルキアノスを受け入れた。
膝の裏に手を当て、大きく両脚を掲げて貫き、大きなストライドで激しく責め立てた。
ぐじゅっ、ぶじゅっ、と生々しい水音に、肌がぶつかり合う音が混じる。
さらに獣じみたルキアノスの荒い息が加わり、たちまち寝室は異様な空気に包まれた。
「あ、あぁ、あ! はぁ、はぁ、あぁあ!」
「ギル、今夜は、泊まって。いい、ね?」
猛然と腰をやりながら、切れ切れにルキアノスが訴える。
答えは、無い。
「ハッ、ハッ、ギル……ッ。ギル!」
「うぁ、あ! あぁ、あぁ!」
二人とも、何度達してその愛欲を吐いただろう。
ただ、ルキアノスがほんの短いまどろみから覚めた時、すでにギルの姿はなかった。
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