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第十章・3

 滅多にお目にかからない、ギルの乱れた様子に、ジーグのものはすでに勃ち上がっている。  ギルはそれを軽く扱くと、ゆっくり腰を落としていった。 「くッ。うぅ、んん。うッ……」 「大丈夫か」  痛くはないか、とジーグが声をかけると同時に、ギルは淫靡に腰をやり始めた。  ぐちゅり、ぐちゅり、ぷちゅん、と出しすぎたローションの音が響く。それに重なり、ギルの荒い息遣いとベッドの軋む音が響く。 「ジーグ、も、早く」  早く動けということか。だが自分の上で身悶えるギルは、なかなかにそそる。 「もったいないな。もう少し見物したい」 「……バカッ」  ギルは自らのものを手で扱きながら、ジーグの上で動き続ける。  彼の先端は、たっぷりと蜜で濡れている。 (このままだと、独りで勝手にイッってしまうな)  それは御免だ、とジーグもようやく腰を動かし始めた。  下から突き上げ、ギルの体内を探りにかかった。 「あ! ジーグッ……、あぁっ!」 「ギル、どうだ?」 「凄く、いい具合……んぅッ!」  ゆっくりと、ジーグは動く。貫き、抜いて、また貫く。  そんな彼の動きに翻弄されて、ギルの規則的だったグラインドはすっかり乱れてしまった。    ぐうっ、と大きくギルが動いた。よく見ると、自分の根元を手できつく絞っている。 「一緒にイきたいのか?」 「……」  それには答えず、ギルはただ首を縦に振った。

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