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キスだけだから…⑶

「…………あの、ショウ。言いにくいんだけど」 「わかる、わかってる、さすがに気づくけど!」  あれから散々キスをして、舌を絡めて、じわじわと熱を高めあって、唾液を交換して、…それで勃たなかったら逆に心配になる。けど、けど…! 「ここじゃむりだろ……!」 「でも、だって、はぁ、っどうすんだよこれ……無理だぞ、っふ、このまま帰るとか、絶対無理だ………」  キスだけでヘロヘロになった俺の股間に、マコトが同じものを擦り付けてくる。ぐっぐっと突き上げるような動きは、俺の中で動くときと似ていて、あからさまなセックスアピールに心臓が痛いほど脈打った。息さえままならなくなっていく。  え、するの、ここで?でも、そんなの、ばれたらどうするんだよ……。  でも、もう、おさまり、つかねえよなぁ……。  酸欠で朦朧とした頭は正常には動かないし、欲望には忠実になる。マコトのセックスアピールに応えるように自然と腰が動いて、もろにそれ同士が当たってぐりっと擦れあった。 「あっ!」 「っつぅ」  思わず出てしまった呻き声に、マコトの腰がようやく止まる。荒くなった息がセクシーだ。 「………どうする」 「……どうしよう」  もう引くに引けないところまで来てしまった。身体はマコトを欲していて、これでキスして終わり、とはもういかない。けど、屋外だし、用意もないし、最後までするのは不可能だ。どうする、どうする、どうしよう。  どうにもできないこの状況に、涙さえじんわり出てくる。我慢できない。けどここではできない。どうしよう。 「……ショウ、向こうむけ」 「えっ」 「いいから、早く」  マコトの声は苛立ちを含んでいて、大人しくマコトに背を向ける。マコトももう我慢の限界を超えているらしい。苛立ってる声、珍しい。ちょっとかすれてて、エロい。 「壁に手ついて」 「は、え?おまえ、まさか……!?」 「わかってる!挿れないから、挟むだけだ」  は、挟むって、素股!? 「脱がすぞ」  手をついて腰を突き出すと、その上に覆いかぶさるようにして、ズボンの紐を緩めらた。ぐ、と力強くまくられて、普通は外気に当たるはずのない尻の表面がさらされる。 「や、やだ………」  さっと駆け抜けた羞恥に、弱々しい声が出る。それがますます羞恥に重なって、少しだけ涙が出る。 「やだ、やめて、ぬがさないで……」  俺のいうことなんて全然聞こえないみたいに返事もしないマコトは、鼻息荒く、さらりと尻を撫でた。息がひきつる。大きな手が、しりたぶをつかんで、ぐっと外に引き上げる。 「あぁっ」 「はぁ、っ、挿れたい……」 「だ、っだめ、ダメだからな……!」 「わかってる!」  ぬるっと、なにがが当たった。何かって、正体はわかっているんだけど。熱くて、硬い。太腿の間にぬるりと滑り込んできたそれ。思わず、下を向いて足の間を覗き込んだ。 「ひぁ」 「ん?なに、見て興奮したのか?」  ばっと口元を押さえると、ニヤニヤした吐息で尋ねられる。くっそ、そうだよバーカ。  挿れられるといつも目一杯になっちゃうから、それをマジマジと見る事はあまりなくて。だから、動きとか、色とか、形とか、この目がはっきりと捉えるのは初めてだった。いつもこれが、俺の中のシコリ擦ってんだなぁとか考えたら、どうにもダメだった。背筋に走る悪寒が止まらなくなる。 「ん、んんっ、っく……」 「ほら、太ももしめて………っく、そう、上手だ。ハッ、………イキそ……」  腰の動きが本格的に早くなって、もう出すんだなってわかる。経験値だ。だんだん挟むのに慣れてきたマコトは、ピンポイントで、俺のモノの裏筋に先っぽをあてにきた。やば、声でる、気持ちいい…………。 「ハッ、はァっ、ッショウ、ちょっと、手貸せ」 「んっ?なに、」 「こうして、ほら」  ゆるゆると腰を動かしたまま、口を覆っていた手を股間に導いてくる。そのまま、俺のとマコトのを同時に握らせた。マコトのは先っぽ、俺のは竿の途中になる辺り。 「そのまま、離すなよ」  えっ、まって、くち、抑えられなくなっちゃ……あ。 「ひあぁっ!あっ、やっ!やだ!んあぁっ、あっ!あっ!あっ!や!もうイク、イクぅぅッ!」 「イケよ、俺も、んぐッ…………っ〜〜!!」  熱が弾けたのは、ほとんど同時だった。

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