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秘書のオシゴト⑦

「そうなんだ。 で、君は?この名前は気に入ってるの?」 「実は高校までは大嫌いでした。 この名前のことで、よく苛められましたから。 でも…逆に初対面ですぐに覚えてもらうことができるし、知り合いも増えて…親に貰った初めてのプレゼントである名前を粗末に扱うのは申し訳ない、嫌うのは自分自身を下げることなんだ、と考えるようになってからは、この名前でよかったと思えるようになりました。」 「俺はとてもいい名前だと思うよ。 爽やかで君にピッタリだ。」 え…褒められた?爽やか?俺にピッタリ? そのあと、社長が何か呟いていたのだが、それは聞きとれなかった。 「あっ、ありがとうございますっ。」 「それと…書道の腕も凄いんだね…教えたりしてたの?」 「はっ、はい!子供達相手でしたけど、近所の教室でバイトさせてもらっていました。」 「そう…賞状って書ける?」 「はい!高校の卒業証書は、書道担当の先生と自分とで書かせていただきました。」 へぇ…とか、それは凄い、とか、同席している部長達からも声が上がった。 俺は名前のことを聞かれた段階で、自分が絶対に就職できると確信していた。 何でこんな変な余裕ぶった気持ちになっていたのか分からないけれど、面接最初の圧倒されてヘタレだった俺は何処へやら、とにかく自信満々で面接を終え意気揚々と帰宅したのだった。 結果を待つ間ドキドキしながらも、もう受かることしか考えてなかった。 数日後…きた!きた、きた!結果は… 『内定』の文字が… やったぁ!!! 思った通りだった!!! あの人達の元で働ける! あ…でも本社勤務とは限らないんだ…全国にある支社で揉まれてから本社に戻り、また転勤を繰り返してから本社へ…と聞いている。まぁ、普通の企業のパターンか。

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