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社長の真意④

満は頭を掻き掻き、拗ねたような表情で 「正直、俺も困って戸惑ってるんだ。 親は何にも強制はしてこないけれど、俺は当主として、適当に見繕った女と見合いして普通に結婚するんだと諦めていた。だってそうだろ?家柄がどうだとか何とか、小煩(こうるさ)い親戚内なんて未だにそんなこと言うんだぜ?あのクソジジイどもめ。 だから若いうちに色々遊んでおこうと…まぁ、半分ヤケ起こして適当に付き合って遊んでたんだ。」 「うん、そうだな。それは感じてたよ。 それにしても見事な遊びっぷりだったよな、『夜の殿様』。俺は何度夜の街を連れ回されたか…目付不行届だって俺までとばっちりを食って叱られてさ。 うちの親父なんて半端なかったんだぜ。」 「悪かったって。もう、止めろよ〜その言い方。若気の至りとはいえ、一応反省してるんだから。 でも、彼に会ってから…いや、履歴書を見た瞬間ビビッと感じるものがあって『この子いいな』と思ってた。その時は恋愛感情だって気付かなかったんだ。純粋に優良物件のいい社員が入社しそうだ、ってワクワクしてたんだよ。 だから赤石に『黒原の後継者にするから秘書課に回すように』って命令してたんだ。 実際に面接した時に確信した。コイツは俺の伴侶だって。 男でも、絶対に間違いない、俺のモノだって。」 そこまで一気に話し合えると、満はふうっ、と大きく息を吐いた。 頬を染めて暴露するこんな満の顔を見たのは初めてかもしれない。彼にとっての初恋…ってところか? 俺も戸惑いながらも満の告白を聞いていた。 マジモンだよ、これ。 さぁて、どうするか…ここまでマジな思いを拗らせる訳にはいかないし、今の状況に耐えられずに西山君が辞めちゃっても困るし…

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