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押しの一手④
秘書室の時のように、跨らせてぴったりとくっ付く。
檸檬は大した抵抗もせず、俺の胸に額を付けて泣きじゃくっていた。
俺は、それを『合意』と受け取った。
やはり、俺達は同じ思いなんだな。
檸檬の頭から背中を優しく撫で摩っているうちに、少しずつ嗚咽も治まってきたようだった。
彼の涙と鼻水で俺のシャツはしっとりと湿り気を帯びていた。
ずずっと鼻を鳴らした檸檬が「すみません」と言って俺から離れようとするのを引き止め、頭を抱き寄せる。
「…社長…シャツが…」
「気にするな。もう少し抱かせろ。」
檸檬の温もりも感触も心地いい。
こんな穏やかな気持ちになれるなんて。
今まで味わったことのない満足感に浸り、俺はずっと檸檬を抱きしめていた。
「…社長…」
「どうした?」
「あの…私も…社長をお慕いしていま…んむっ」
その言葉を聞いた瞬間、俺は檸檬の唇に噛み付くようなキスをした。
やっと言ってくれた。かわいい檸檬。
「愛してるよ、檸檬。」
また一筋、檸檬の涙が頬を伝う。
それを顎から目尻へと舐め上げて、何度も唇を奪う。
数度繰り返して、思い切り抱きしめる。
檸檬が恥ずかしそうに下半身をもじもじし始めた。
「檸檬、嫌か?」
「…嫌、ではないんです…さっきからあの…社長のが、当たってて…」
「…あぁ…」
檸檬を抱きしめてから痛いくらいに張り詰めている雄の印。
「すまない。お前に欲情してる。」
「えっ、あっ、ええっ!?」
檸檬は耳まで真っ赤に染め目は泳ぎ、挙動不審になっている。
「檸檬を俺のものにしたい。」
ストレートにそう告げると、益々顔を赤くする。
「え、でも、私っ、その、でも」
「痛くしない。優しくする。
俺のものになってくれ。」
「でっ、でも…」
「決定事項だ。檸檬、俺を受け入れろ。」
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