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内緒(3)

「どういたしまして。 で?今度は何作るの?モノトーンの素敵な生地が入荷してるのよ。ゆっくり見ていってね。」 「ありがとうございます。あとでゆっくり… あの、今日は誕生日のプレゼントを作りたくて。 色々と相談に乗ってもらいたいんです。」 「OK、OK。それなら多恵子さんにお任せね。 多恵子さぁーーーん!」 「はぁーーーい! …お待たせしました…あら、檸檬君いらっしゃい! 私が呼ばれるということは…小物系のご所望ね? 何かしら。」 「誕生日のプレゼントですって。とびっきりの素敵なやつ、頼んだわよ。」 「任せといて下さいよ。あの素敵な旦那様用ね!? で、檸檬君?どんなイメージ?」 「ええ、そうなんです。えーっと…具体的にまだ分からなくって…ここに来たら絶対安心してお任せできると思って来たんです。」 「あらぁー、そんなに信用してくれてるの?腕が鳴るわぁ。ちょっと待って…これが今まで作った作品よ。 ここに座ってご覧下さいね。」 小さなアルバムを渡された。 じっくりと見ながらめくっていく。 「うわぁ…専門店で売ってるやつみたいだ。 どれも思いがこもってる。素敵ですね。」 「ありがとう。全部一点ものよ。オリジナル。」 「凄い………あ、これ綺麗。」 ある写真に目が止まった。 「でしょ?流石檸檬君、お目が高い。」 ふふっ、と笑った多恵子さんは 「これね、私が主人と結婚して初めての誕生日にプレゼントしたネクタイピンなの。 私の実家はジュエリーショップでね、アクセントに張り込んでダイヤを埋め込んだのよ。 主人ったら本当に喜んでくれて…それからますますアクセサリー作りに熱が入ったのよ。」 「シンプルで凄く上品で…俺、こんなの作りたいです。」 「褒めて下さってありがとう。じゃあ決まりね! 早速デザインを考えましょう。」

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