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溺れていく②
心臓が口から飛び出しそうなのを必死で耐えている。
見つめ合ったまま、ゆっくりとベッドに横たえられた。さり気なく腰に手を当ててくれ、無理矢理押し倒したりしないのは流石紳士か…手慣れてる風がして、今まで一体何人抱いてきたのか、なんて胸がちりりと痛んだ。
社長は両手でそっと俺の頬を包み込み、鼻先にキスを落とす。次は唇にキス!?と思う間もなく、わざとスルーして喉元に舌先を這わされて「んっ」と吐息が漏れた。
ざわりと鳥肌が立つ。
ざらざらした表面を手の平が撫でていき、さり気なくジャージを脱がされた。
その頃にはもう、俺自身は下着の中で窮屈そうに行き場を探していた。
それを見た社長が嬉しそうに両サイドのゴムの部分に指を掛け股下までずらすと、ぶるりと半立ちのそれが飛び出してきた。
つつ…っと、根本から鈴口まで撫でられる感触。
「あっ」
突然の快感に背中を逸らした。
浮いたその隙間に腕を差し入れた社長に、がっちりと固定された。
もう、逃げられない。
視線を下に向けると、社長の頭が股間に埋まるのが見えた。
まさか…と嫌な予感がした瞬間、生温かいモノに包み込まれた。
「やあっ、社長っ、離してっ!」
急所をしゃぶられているというのに、痺れるような快感が良し寄せてきておかしくなりそうだった。
「やだ、やだ」と言うのが精一杯で、力の抜けてしまった手をやっと動かして、頭を押してどかせようとする。
その手をやんわりと何度も避けられて続けられる愛撫に、射精感が迫り上がってくる。
「止め、て…社長っ、俺、もう…」
「出せよ。お前を味合わせろ。」
社長はそう言うと、ますます口の動きを加速させた。おまけに手まで使い始めて。
そんなことされたらもう、ひとたまりもない。
ダメだ、我慢できない…
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