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溺れていく⑩

満さんの指をゆるゆると受け入れる自分の身体に驚きながら、大きく深呼吸しては飲み込んでいく。 それは甘く痺れ快感を生み出し、心も解き放つ。 「…っ、くうっ…」 それでもまだ、声を出すのがはしたないと、最後の抵抗で歯を食いしばる俺の喉をするりと撫でた満さんが耳元で囁いた。 「檸檬、これは俺達2人でしかできないんだ。 一緒に気持ち良くなってくれ。」 ダメだ。 抗えない。 悪魔の囁きに落ちた俺は身体を震わせ、軽くイってしまった。 満さんは、シーツに落ちた俺の残滓を掬い取り、自らの楔に撫で付けながら、ゆっくりと指を抜いていく。 追い縋る俺のナカ。 それらを優しく引き剥がすように指が出て行った。 その代わりに滑ったモノがピタリと後孔に当てられたと感じた瞬間、それは遠慮なく分け合ってきた。 「ぐうっ」 反り返る背中。 熱い塊が埋め込まれていく違和感。 相反する快感の嵐。 口から零れ落ちる欲を孕んだ声。 …俺達は再び、一つになった。 ぐったりと横たわる俺の髪の毛を撫で続ける“恋人”は、動けない俺を嬉しそうに甘く見つめている。 あの後…俺は抵抗したのだが、中を丁寧に掻き出され(恥ずかしいったらなかった。最中より事後の方が超絶恥ずかしい)、身体の隅々まで熱く絞ったタオルで、丁寧に拭き上げられた。 地味に腰にクル痛みと、未だにアソコに何かが埋まっているような異物感。 『受ける側』は、これほどまでに負担が大きいのか。 とうとう俺は社長とエッチしちゃった。 俺達の関係を絶対に何とかする、と言ってたけど、何とかなるものなんだろうか。 そんなことをぼんやりと考えながら、今はただ余計なことを考えず、この幸福感に浸っていたいと目を閉じた。 …この先、俺を待っているのは金山家のとも知らずに…

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