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聡子さん④

聡子さんは最後に俺の目をぐっと見つめると 「ようこそいらっしゃいました。 さあ、どうぞ。」 誰もいなければ、へなへなとその場に崩れ落ちそうだった。 何とか足を踏ん張って体勢を立て直すと、社長と黒原さんに促されるように歩き出した。 今から何が起こるんだろう。 さっきのは合格か不合格か!? 大きな広間に通された俺は、当たり前のように上座に座る満さんに呼ばれて、まごつきながらも敢えて座布団を避けて、その横に控える感じで座った。 そこから少し離れた場所に黒原さんが。 更に下座に聡子さんが。 「満様、お帰りなさいませ。 この度のご帰宅は、ご伴侶様を伴ってと伺っておりますが。」 「聡子さん、ただいま。 そう。隣にいる西山檸檬、彼が私の生涯唯一無二の伴侶となる。 誰が何と言おうと、俺は檸檬と一生を共にし歩んで行く。 それで、是非とも聡子さんのお力をお借りしたい。よろしく頼みます。」 「後継ぎはどのようにお考えを?」 「分家から頭も性格も良い来年大学生になる次男坊を養子として迎えるつもりだ。 後継者としてしっかりと育てていく。 どうやらあちらで冷遇されている様子、喜んで話を受けてくれるはずだ。」 「檸檬さん。」 「はっ、はいっ。」 「あなたのお気持ちは? 何があってもどんな目にあっても満様のお側を離れないと誓えますか?」 「私は、満さんを心からお慕いしています。 何があっても満さんの側にいると決めました。 不束者ですが、どうぞよろしくお願い致します。」 両手をついて、頭を畳に擦り付けんばかりに下げた。 ――沈黙―― 「……満様。この度のことは黒原から聞くまでもなく、存じ上げておりました。 勝手なことをと仰るかもしれませんが、そちらの檸檬さんのことは全て調べさせていただいております。 お2人が真剣ならば、私が口を挟むことはございません。周囲への根回しも致しましょう。 檸檬さん。」

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