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修行スタート!①

ジリリリリリリ ん…うるさいなぁ…何時?まだ早いじゃん。 あと5分…ん…… スパ――ンッ 「檸檬さんっ!起床っ!」 「うわぁっ!」 割烹着姿の聡子さんが、開いた襖の前で仁王立ちしていた。 「起床っ!」 「はいぃっ!」 慌てて布団を畳み、用意されていた作務衣に着替えた。 洗面所に連れて行かれ顔を洗うと、そのまま台所へ。 そこには既にスタンバイOKの女性達が3名。 「おはようございます。」 「「「おはようございます。」」」 「本日よりここで修行に入られる檸檬さんです。 ひとつひとつ丁寧に尚且つ優しく厳しく教えてさし上げて下さい。 右から、順子さん、朱音(あかね)さん、瞳さん。 あなたの先輩方ですから、分からないことは何でも聞くように。」 「はい。 西山檸檬と申します。 何卒よろしくお願い致します。」 「「「よろしくお願い致します。」」」 うげぇ…お局が4人もいるのか… 不躾にじろじろ見られてる感満載。 オマケに俺、初日から寝坊したっぽくないか? 「瞳さん、檸檬さんとお掃除を。」 「はい!檸檬さん、こちらに。」 「はいっ!」 30代くらいだろうか、瞳さんの後をついて行く。薬指に光るものがあるから、既婚者だろう。 「することが沢山あるから、取り急ぎ朝食前に3部屋の埃取りと畳のカラ拭きと廊下の雑巾掛けをするの。 後の部屋は順番にね。 はい、これ上用の雑巾。雑巾も場所によって違うから。」 「はい。ありがとうございます…」 「やってみせるから見てて。」 「はい。」 そう言うと、瞳さんは障子の桟を上から拭き始めた。 それが終わると照明の傘、置物や棚。 次に雑巾を変えて畳も拭きあげた。 時間にして10分も掛かっていない。 流れるような、まるでダンスでも踊っているような動きに、俺は見惚れていた。 「…凄い…」 瞳さんはウインクをして笑った。 「次の部屋は檸檬さんね。」

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