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重なる思い(4)
やっと愛し合える。
やっと抱いてもらえる。
大好きなひとに『大好きだ、愛してる』と言ってもらえて、幸福感に満たされる。
そんな思いが羞恥心を超えた。
「…檸檬の中、うねってる…」
嬉しそうな声音に恥ずかしさが蘇るが、もう拒んだりはしない。
「ああっ」
くいっ、と押されたその場所は俺の敏感なトコロだ。
優しく丁寧にそれでいて大胆に、満さんの指は別の生き物のように動き始めた。
押したり、擦ったり、引っ掻いたり……そんなことされたらひとたまりもない。
執拗に責められて感じて、腰が揺れ出したのが分かる。
一瞬、身体が震えて「くっ」と唸るような声をあげ白濁の液を吐き出した。
はあっ、はあっ……俺、満さんの指だけでイっちゃった……
粘りを伴った白い液は、お湯と共にすぐに排水溝へと流れていった。
満さんは「いい子」と俺の頭を撫でキスをしてくれ、2人の身体中の泡を流し終えた。
「…指だけで…恥ずかしい…」
そう呟くと
「俺は嬉しいんだけど。」
と返された。
頭のてっぺんから爪先まで丁寧に拭きあげられ、ドライヤーも当てられて髪の毛がふわふわと跳ねる。
俺が終わると、髪の毛を乾かしてくれ、と甘えてきたので、同じようにしてあげた。
これもまたいろんな意味で恥ずかしい。
いかにも恋人同士という感じのシチュエーションに、ニヤけた顔の満さんと照れ臭そうにしている俺が鏡に映っている。
そんな顔の自分を見るのは拷問に近いものがある。
オマケに、どうしても視界に入ってくる満さんのソレが、クイクイとそそり立ち主張してくるのだ。
満さんのは、何というかその…立派なのだ。
うん、そう。全てにおいて“立派”。
俺のナニが貧相に見えて仕方がない。
同じ男なのに。悔しい。
髪を乾かし終えても顔を見ることができなくなった。
多分、男としてのちっぽけなプライド。
“抱かれる”俺は余計に性別を否定された感じがしてならなかった。
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