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重なる思い(7)
満さんは俺の身体を確かめるように、全身に手を滑らせる。
届きにくい足は、片方ずつ膝を折り曲げられ足の指や裏まで摩られた。
そして時折優しいキスが降ってくる。
そんな体勢で隘路を弄られている訳で。
また角度が変わってあらぬ場所を刺激される。
「んんっ」
喉からくぐもった声が出てしまう。
やだ。
こんな男の声、聞かないでほしい。
満さんはこんな平べったい身体を触って楽しいのか!?
「……やだ。」
「え?」
「いやだ。」
「檸檬、どうしたんだ?何処か痛いのか?」
満さんの動きが止まった。
下半身からは、じゅ、という音がした。出て行く指を追い掛けるように、中の襞がしがみ付くのが分かる。
満さんは俺の髪を撫でながら優しく言ってくれた。
「檸檬、……何で泣いてる?ごめん。痛かったか?どうしたんだ?」
あれ、俺泣いてるのか。
ふるふると首を振ると、流れ落ちた涙を唇でそっと拭われた。
「…満さん……」
「うん?」
「……俺、胸ぺったんこで。」
「うん。」
「満さんと同じモノついてて。」
「うん。」
「声だってかわいくないし。」
ぷっ
満さんが吹き出した。
肩を震わせ笑いを堪えながら、俺をぎゅーっ、と抱きしめてきた。
そこ、笑うとこ!?
俺、ちょっと落ち込んでるんだけど。
「くっくっくっ……俺は、胸がぺったんこで美麗なち○この持ち主で、ハスキーな色っぽい声で啼く、西山檸檬という男を心から愛しているんだ。
お前が男でも女でもどっちでもいい。
檸檬、お前という存在そのものが愛おしくて堪らないんだ。
檸檬、愛しています。
俺に全身全霊受け渡せ!」
「満さん………」
ぎゅうぎゅうに抱きしめられて、其々の分身が、お互いの身体で押し付けられ押し潰され、あまりの気持ちよさに頭が真っ白になっていく。
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