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証(4)
テーブルにお弁当が置かれた。
これは…確か、雨月堂の限定30食吹き寄せ弁当!
毎日争奪戦になるやつだ!俺は1度しか食べたことがない。
一体いつの間に…….
「お昼さ、一緒に食べようと思って。
俺の奢りだから気にしないで。復帰祝い!」
「黒原さん、これ限定品で中々手に入らないんですよ!?
一体いつの間に……あ、さっき外出したのって」
「あははっ、いいじゃん、偶には。
ほら、お茶入れて。
社長も暫く帰ってこないからゆっくり食べようよ。
本家での話も聞きたいしね。」
「バレたら叱られますよ!?
でも、俺のためにありがとうございます。嬉しいです!」
「うんうん。素直な子は大好きだよ。」
貴重な限定品に舌鼓を打ちながら、黒原さんに問われるまま本家での修行の様子を伝えた。
黒原さんは時々「ひえっ」「うっはー」なんて変な声をあげながら話に聞き入っていたが
「それにしても西山君、君は本当によく耐えたよ、頑張った!
あの聡子さんが認めるなんて、生半可なことじゃないんだよ!すっげぇよ!
あの人のお墨付きがあれば、怖いもんなしだからね。
それと:あの3人にも気に入られるなんて。
聡子さんの側にいる、あの人達も喰わせ者だからさ。
俺は、君はやる子だと思ってたんだよ!
誰が何と言おうと、君は金山満の婚約者、嫁なんだから、堂々としてればいいんだ。
俺達も全面バックアップするから。」
「…ありがとうございます。
でも、俺が嫁だなんて何だか複雑なんですけど。」
「いいんだよ。満んちの親父さんとお袋さんも大歓迎だっただろ?
特にお袋さん……」
「はぁ、まぁ……」
「西山君は、あの人のどストライクの顔してるからね。
満と奪い合いの喧嘩にならなきゃいいけど。
違う意味の“嫁姑”覚悟しときなよ。」
「はぁ…」
「あ、ごめんごめん。脅すつもりはないんだ。
素のままの西山君でいればそれでいいから。
今までと変わりなくそれで。」
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