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証(14)

そして、今夜も当たり前のように抱き合って…… 気が付けば、少し開いたカーテンの隙間から明るい光が薄っすらと差し込んでいた。 均整の取れた美しいどアップにドキドキしながらも、髪の毛に当たる吐息と身体に巻き付く温もりに、この上ない安心感と多幸感に包まれる。 重怠さが残る中、その反面、身体の奥深くに刻まれた、心地良い微かな疼きのような感覚に、正直戸惑っている。 昨夜もたっぷりと愛された己の身体が愛おしくて堪らない。 今何時なんだろう。俺、目覚ましセットしてたっけ? でももう少し、このままでいたいな。 ダメだ、ダメだ。 はぁ、二度寝しちゃマズい。やっぱり確認しよう。 満さんを起こさないように、そっと抜け出そうとしたその瞬間、逞しい腕に絡め取られた。 「こら檸檬…何処に行く?」 「満さん、起こしちゃった!?ごめんなさい。 俺、目覚ましセットし忘れてるかも、って思って…」 「まだ大丈夫だ。もう少し……」 そう言うと満さんは目を瞑り、静かに寝息を立て始めた。寝ぼけてた?もう寝ちゃったのか。 足まで巻き付けられて、起きられなくなった。 大丈夫なら、まぁいいか。 もう少しこのままで…… 満さんの胸にぐりぐりと頭を擦り付けると目を閉じた。 「満さんっ!あと15分ですっ!」 「分かった!檸檬、パン焼けたぞ!」 「はいっ!ありがとうございますっ!」 案の定寝過ごした俺達は、昨夜の甘いひと時は何処へやら。まるで戦場のような慌ただしさで。 俺はとにかく弁当箱にご飯を詰め込みふりかけを掛け、満さんは食パンを焼いてくれていた。 それを半分喉を詰まらせながらも何とか飲み込んで、身支度を整えるとダッシュで車に向かった。 「おはようございます。 ……何だかお二人共お疲れのようですが…」 「俊樹、おはよう。うっかりと二度寝しちまったんだよ。」 「…黒原さん、おはようございます……」 あれ?黒原さんの襟元……

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