147 / 371
証(21)
え?
「金山家の親戚一同御一行様じゃなくてもいいの?」
「そんなもん呼んでたら入る式場がない。」
「後から何か言われたりしない?」
「当主は俺だ。文句は言わせない。」
ヒューッ、カッコいいっ!よっ、ご当主!
「お義父さん、お義母さんは?
それでいいって?」
「俺と両家で話し合って決めたことだ。
幾ら旧家だといっても、勿論大切なしきたりなんかは守っていくけど、時代にそぐわない事柄は改めたり自分達がこうしたいと思うことに関しては自由だ。
だから心配しないで。
檸檬、俺と素敵な結婚式を挙げよう!
本当に俺達の幸せを願ってくれる人達に出席してもらって、内々で祝おう!」
「満さんっ!」
ぼふっ
「ぐえっ」
満さんにダイブするように抱きついた。
ソファーに押し倒したまま顔をすりすりと擦り付けた。
俺のダンナは何てカッコいいんだ!
偶にイケメン崩壊したり涙ぐんだりするけれどそれはご愛嬌で、頼り甲斐のある素敵な最高のダンナだ!
「満さん…大好きっ!」
「知ってる。よいしょ、っと」
満さんは起き上がると、俺を跨がらせて抱え込み、おでこをくっ付けた。
「俺は檸檬の嫌がることはしないししたくない。
でも結婚式は、ケジメとして、証のひとつとして挙げたいんだ。
それでも嫌か?」
俺はふるふると首を振って
「満さん、ごめんなさい。
家柄も格差があって釣り合いが取れないしどうしよう、男同士の結婚式ってどうすればいいのか、って勝手に自分でストップ掛けてたんだ。
ちゃんと伝えればいいことだったのに。
みんながお祝いしてくれてるのに、何だかブルーになってた。
満さん、改めてお願いします。
俺と結婚式を挙げて下さいっ!」
「くすくすっ…檸檬、お前って本当に男前だな……はい、こちらこそお願いします。
檸檬、素敵な式にしような。」
「はいっ!」
ともだちにシェアしよう!