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結婚式(3)

耳まで赤くなった黒原さんに、俺はそれ以上ツッコミを入れることもできずスルーした。 やっぱり家に帰ったら、満さんに聞いてみよぉ〜っと。 本人には直接聞きにくいもんね。 「そっ、それよりさ、結婚式ってどんな感じ? って、すっごく評判良くってさ、中々予約取れないそうなんだけど…よく捩じ込めたね…流石金山家! 俺も友人の式に行ったけど、めっちゃくちゃアットホームで凄く良かったよ! ね、金山君、タキシードの色は?それとも羽織袴? あー、でも当日のお楽しみでもいいな…待って、言わないでいいよ!」 何だかテンパった感じの黒原さんは、それでもニコニコと嬉しそうにしていた。 「じゃあ、当日のお楽しみで。 お忙しいのに出席ありがとうございます。」 「一応、親族・会社・友人代表を兼ねてるからね。 俺も凄く楽しみにしてるから。」 「はい!ありがとうございます。 何だか色んなことが…何から手をつけていいのか分からなくて…」 「細々としたことは、周りの皆んながやるから大丈夫。 とにかく体調管理をして、自分のことだけ1番に考えて。 西山君のやるべきことって、それだけでいいからね!」 「はぁ…はい。あの、社長にお願いがあるんですが……」 「ん、どうした?」 「できれば…聡子さん達にも出席していただきたいんですが…ダメですか? 俺、本当にお世話になったし、これからもお世話になる人達だし。 聡子さん、順子さん、朱音さん、瞳さん、そしてすみれさん。 皆さんのお陰で、俺こんなに幸せですって伝えたい…」 「……うーん、どうだろう。 すみれさんは別として、あの4人は完全に裏方に達しているからね…普通は表には出ないんだ。 それに両家の人数調整もした後だからな… 俊樹、どう思う?」 「難しいかもな。第一、聡子さん自身が表に出ることをどう思うか……満、オヤジさんに聞いてみたら?」

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