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新婚初夜(12)
side:檸檬
翌朝――
柔らかな日差しが入り込む寝室。
結婚式を終えて、甘々な夜を過ごし……蕩けそうで、それでいて爽やかな1日の始まり……のはずが……
ベッドの上で、動けずに横たわりぶすっとむくれた俺。
そんな俺のご機嫌伺いをしてオロオロする満さん。
激しかった夜の次の日の、お決まりの朝の光景だ。
今回は…自分のせいだと自覚してるから、満さんに対してはあんまり腹が立ってない。
調子に乗ったのは認める。
あの下着を穿いちゃったのは、俺の意思だし。
言葉でも誘って煽ったのは俺だから。
はぁ…それにしても激しかったぁ…いつも激しいけど…ゴニョゴニョ…
あんな布切れ1枚で、あんなに理性がぶっ飛ぶもんか!?
…あんな満さん、初めて見たかも。
全身怠い。
腰、痛い。
お尻にまだ何か埋まってるみたい。
シーツも俺も綺麗になってるし、換気もしてくれたようだけど…何だか臭う気がする。
俺の身体の奥の満さんが残っているようで…
うーっ、シャワー浴びたいけど動けない。
はぁ…遥さん…『ダンナ様が喜ぶ』って、マジモンかも。
あの満さんがあれだけ弾け飛ぶんだもん。
凄い効果、破壊力。
これって、報告必要ですかね?
っていうか、アレ、どうしたらいいんだろう。
洗濯して箪笥の奥深くに隠すか…
味を占めた満さんが新しいのを準備しないことを祈りたい。
だって夕べだって
『今度は紐付きもイイな…いや、檸檬にはピンクも似合うかも…』
なーんて呟いてたの、俺はしっかり聞いてるんだから!
…とはいえ、認めたくないけど俺自身も嬉しかったのは事実で…
ううっ、俺って何てえっちなコだったんだろう。
うんうん唸っていると、満さんが遠慮がちに声を掛けてきた。
「檸檬、お腹空いただろ?
何食べたい?持ってくるから言って?」
そういえばさっきからぐぅぐぅお腹が鳴っている。
「…スープとパンと…スクランブルエッグ…」
やっと出た声はカスカスだ。
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