180 / 371

内緒(10)

「檸檬…俺との結婚、後悔してるのか?」 「はぁ!?満さん何言ってんの!?」 「…だって、お前泣いてる…」 「違ぁーうっ!違うよっ! …寝てる満さん見てたら、物凄く幸せな気持ちになってきて、それが後から後から溢れ出して止まんなくなって…気付いたら涙が…んぐっ」 満さんに思いっ切り抱きつかれた。 「檸檬…檸檬…お前って、何てかわいいんだ! 俺を何度キュン死させたら気が済むんだ!? あー、もう、抱くぞ!」 「いやいや、最後の台詞はどう考えてもおかしいでしょ!? それにキュン死させた覚えはありませんけど!?」 「うーーーっ、檸檬…俺、もう我慢できない…」 右手を取られ、満さんのズボンに押し付けられた。 うおっ!ガチガチのパンパン! まさか今ので?そんなバカな! 「みっ、満さん、落ち着こう、ね!?」 「こんなかわいいことされて落ち着けるかっ! 檸檬、煽った責任取れ!」 ひえーーーっ …それから俺は、ものの見事に着ている服をひん剥かれ、結局あんあん啼かされて…撃沈した。 何が満さんのスイッチオンになったのか…俺には謎だ。きっと泣いたのがヤバかったんだろう。 次からは満さんの前では泣かないようにしようと思う。 とにかく、アノ最中にずっと『檸檬かわいい』『食べちまいたい』『俺のものだ』とか何とか、甘ったるい言葉を掛けられて、頭も麻痺してヤられてた。 頭が溶けてるところへ持ってきて、俺の感じる所を滅茶苦茶弄られて、心も身体もトロトロに蕩けちゃったんだ。 喘ぎ過ぎて喉が痛い。明日、声出るんだろうか。 完全にアルコールが回ったのか、俺の隣ですやすやと眠る最愛のひと。 ズルい。満さんってズルい。 俺のことをこんなに骨抜きにしちゃって、満さん無しでは生きていけないくらいにしちゃって。 おでこにひとつ、軽いデコピンをかまして、知らん顔して寝てやった。

ともだちにシェアしよう!