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内緒(15)

そこへ接客を終えた新藤さんがやって来た。 「おっ、できましたか?見せてもらってもいい? ……ほぉ、いいね!これはご主人様喜ばれますよ! そうだ、ラッピングもご自分でなさいませんか? どうせなら最後まで。 さ、こちらにどうぞ。」 「え、いいんですか?ありがとうございます! 皆さん、長いことお仕事の邪魔して申し訳ありませんでした。 でも、お陰様でとても素敵な物ができました! 本当にありがとうございました!」 感謝を込めて深々と頭を下げると 「いや、私達も楽しかったですよ。 筋がいいから、良ければここの職人になってほしいくらい。 また顔見せて下さいね。お待ちしています。」 「無事完成して良かったですね! お幸せに!」 等と口々に優しく言われ、俺は関わる人達に恵まれ過ぎてる、と改めて思った。 もう一度お礼を言って、新藤さんの後に続く。 店内ではなく、別室に案内された。 テーブルには既にこの店オリジナルの包装紙とリボン、それとは別に3種類の物が置かれていた。 どれもシックでそれでいて華やかで、満さんに合いそうな物ばかりだった。 あぁ、俺のためにこんな準備まで…… 「どうぞ、お掛け下さい。 幾つか用意したのですが、もしお気に召す物がなければ、今お包みしますのでお好きな物をお探しになられてもいいですよ。」 俺は即答で 「ご迷惑でなければ、このオリジナルでラッピングしたいです! お店の名前をお借りするようで気が引けるのですが…」 「とんでもない!嬉しいです。 うちの山下が『檸檬君は俺の弟子だ!』って認めてましたからね。 あの気難しい人が、完成するにつれてあなたと仕事ができなくなる、ってボヤいてましたよ。」 「え、山下さんが…」 山下さんは職人さんのひとり。 黙々と仕事を進める職人気質の人。 話しかけるのも憚られるよう雰囲気だったけど、質問するとちゃんと丁寧に教えてくれてた。

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