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内緒(22)

「檸檬、ごめん!八つ当たりした! 俺が悪かった!許してくれ!ごめん!」 部屋に飛び込んできて開口一番、満さんに謝られた。 オロオロしていると、黒原さんが 「もうバレちゃったしサプライズの意味もないだろ? 『明日休む理由は、満の誕生日のディナーを作るため。 仕事を抜け出してた理由は、直接檸檬君からちゃんと聞いてやれ。』 ってさっきLINE送っておいたんだ。 さ、お腹空いたよね? 熱いうちに食べてよ!パスタは自信作なんだから。今日は“きのこの和風パスタ”!」 さぁさぁと急かされて、ちょっと気不味いまま席に着いた。 「「「いただきます!」」」 「うわっ、美味しいっ!お店のやつみたい! 黒原さん、メッチャ美味しいっ! レシピ教えてほしいです!」 「そう、口に合って良かった。 いいよ。こんなので良ければ。」 喋る黒原さんと俺、お通夜みたいな満さん。 それでもお皿は全て空になった。 片付けを申し出たが 「こっちはいいから、ちゃんと話し合って。 で、2日間のお休みはもらってね! 仕事は心配いらないから。」 と2人まとめて追い出された。 ため息をつくと、不意に満さんに手を取られ非常階段を登っていく。 誤解は解けたんだろうか。 ご機嫌は直ったんだろうか。 明日と明後日…休めるのかな… プレゼント、いつ渡そう… ぐるぐると考えが回るうちに、ドアの中に押し込められた。 ガチャ、カチャリ 後ろ手で鍵を掛けた満さんが覆い被さるように抱きしめてきた。 「満さん?」 「檸檬…大人気ないことして、ごめん…」 「…俺も黙って勝手なことしててごめんなさい…もう、怒ってないですか?」 「うん…自分の誕生日も忘れてて…とにかく、ごめん。」 「じゃあ、2日間のお休みいただけますか?」 「俺のためにいいのか?期待するぞ?」 「ホントは明日だけだったんですけど、何故か黒原さんが『翌日も』って。」 「やるな、俊樹。よし、いいぞ。許可する。何なら3日間でも…… それと…抜け出してた理由は? ほら、中に入ろう。」

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