208 / 371

誕生日(13)

「うわぁ…大胆な…コレ、購入するひといるんですか!?」 「ええ。いつもとちょっと違う雰囲気で盛り上がるそうですよ。 透け感がソソるらしいです。」 「はぁ、透け感…」 「檸檬さん、絶対にお似合いですよ。 ちょっと当ててみて…サイズも丁度のはずです。 …仲直りするにはいいスパイスになりそうですね。」 「実は…この間いただいたアレも、満さんがすっごく気に入ってくれて…あの、だから、その……」 遥さんはうんうんと頷いて 「これとセットのショーツを合わせれば…うん、かわいい! ショーツだけでもいいんですけど、インパクト大なこちらの方が…」 「そうしますっ!それ、セットでお願いしますっ!」 「はい、承知いたしました。 ここをご利用下さった大切なお客様ですから、仕入れの原価そのままでお譲りします。 お気に召したらまたご利用下さい。」 「えっ、いいんですか!?」 「ええ、勿論。 結婚後ご希望される方が多いんですよ。下着類はサービスでさせてもらってる部門ですので、お気になさらず。」 遥さんは電卓を叩いて俺に見せた後、綺麗にラッピングして袋に入れてくれた。 「本当にありがとうございました! 遥さん、また相談に乗ってもらってもいいですか?」 「はい、私でよければ。お待ちしてます。 檸檬さん、ダンナ様と仲良くね。」 重々お礼を述べて、バラのアーチをくぐり抜けた。 はぁ…買っちゃった…遥さんに相談して正解だった!アレで満さん喜ぶかな…喜んでほしい。 よし、頑張ろう!(ナニをだ!?) 次は手巻き寿司の材料だ! いつも寄るスーパーに行き、馴染みの鮮魚コーナーのオジサンに1番新鮮なやつを選んでもらい必要なものを買い揃え、レジのおばちゃんと世間話をして、意気揚々と帰ってきた。 満さん…早く帰ってきて……

ともだちにシェアしよう!