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誕生日(13)
「うわぁ…大胆な…コレ、購入するひといるんですか!?」
「ええ。いつもとちょっと違う雰囲気で盛り上がるそうですよ。
透け感がソソるらしいです。」
「はぁ、透け感…」
「檸檬さん、絶対にお似合いですよ。
ちょっと当ててみて…サイズも丁度のはずです。
…仲直りするにはいいスパイスになりそうですね。」
「実は…この間いただいたアレも、満さんがすっごく気に入ってくれて…あの、だから、その……」
遥さんはうんうんと頷いて
「これとセットのショーツを合わせれば…うん、かわいい!
ショーツだけでもいいんですけど、インパクト大なこちらの方が…」
「そうしますっ!それ、セットでお願いしますっ!」
「はい、承知いたしました。
ここをご利用下さった大切なお客様ですから、仕入れの原価そのままでお譲りします。
お気に召したらまたご利用下さい。」
「えっ、いいんですか!?」
「ええ、勿論。
結婚後ご希望される方が多いんですよ。下着類はサービスでさせてもらってる部門ですので、お気になさらず。」
遥さんは電卓を叩いて俺に見せた後、綺麗にラッピングして袋に入れてくれた。
「本当にありがとうございました!
遥さん、また相談に乗ってもらってもいいですか?」
「はい、私でよければ。お待ちしてます。
檸檬さん、ダンナ様と仲良くね。」
重々お礼を述べて、バラのアーチをくぐり抜けた。
はぁ…買っちゃった…遥さんに相談して正解だった!アレで満さん喜ぶかな…喜んでほしい。
よし、頑張ろう!(ナニをだ!?)
次は手巻き寿司の材料だ!
いつも寄るスーパーに行き、馴染みの鮮魚コーナーのオジサンに1番新鮮なやつを選んでもらい必要なものを買い揃え、レジのおばちゃんと世間話をして、意気揚々と帰ってきた。
満さん…早く帰ってきて……
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