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誕生日(21)

「あははっ、これ完全にバカップルの会話だよな。 なぁ、檸檬。 俺、これからもきっとお前に嫌なことやらかすと思うけど、許してくれる?」 「………」 ちゅ 「ねぇ、れもぉーん?」 ちゅ、ちゅっ 「………」 「れーもぉーんー?」 ちゅっ、ちゅっ、むっちゅーっ 「ぷはっ!満さんっ!……もう…」 くすくすくすっ あははっ 「くっくっくっ…はぁ、お腹痛ーい。 満さん、ちょっとならいいけど…本気で嫌な時は止めて下さいねっ。」 「分かってる。 だから…ハグする時は声を掛けてからにするし、足が冷たくならないように床暖を入れるつもりだし、キスマークは……」 「キスマークは?」 「見えないところにつける! 健康診断や社内旅行が近くなったら絶対につけない…と思う…」 「満さん…」 「ね?俺、頑張るから…」 「満さんっ!」 おおっ!檸檬が抱きついてきた!  「檸檬っ!」 もう一度、濃厚なキス!のはずが…… ぐう〜っ 大音量で鳴り響いた俺の腹の虫。 思わず顔を見合わせた俺達は、どちらからともなく笑い出した。 「あははっ!満さんの腹ぺこ虫にご飯食べさせなきゃ! さ、食べましょう!」 檸檬は真っ赤な目と鼻でくすくす笑うと、俺の手を取って起き上がった。 「くそっ、腹の虫に邪魔された……」 それを聞いた檸檬は、俺の肩にそっと手を掛けると、唇に触れるだけの優しいキスをひとつくれた。 「れっ、檸檬!?」 「ふふっ、満さん、大好きです! 早くご飯食べましょう!」 ヤバい、マズい。下半身に血液が集結しそうだ。おい、まだダメだ。散れ散れっ! 何で不意打ちで、そんなかわいいことするんだよー。理性が振り切れそうだ。 俺の檸檬が天使に見える。絶対に背中に白い羽根を隠しているはずだ。 今夜確かめてやる。 既に形を変えそうになっている俺自身をさり気なくポケットに手を突っ込み、布を浮かして誤魔化した。

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