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お楽しみはこれから(1)

すっかり崩れてしまった顔を元に戻そうとしても、すぐにニヤけてしまう。 仕方がない。 愛する檸檬とのラブタイムを思えば、こんなになってしまうんだから。 檸檬はそんな俺を見て、呆れた顔をしながらバスルームに消えて行った。 いなくなった檸檬の代わりに、クッションを抱き寄せてソファーに寝転ぶ。 待っている時間が焦ったい。 今頃檸檬は俺のために身体の隅から隅まで、磨きまくってるんだろうな。 むふふっ。 ところが、いつまで待っても檸檬が上がってこない。 ん?遅くないか?見に行こうか? いやいや、特別な夜のためにイロイロしてくれてるんだろうな、きっと。 それにしても…遅い。 まさか逆上せてぶっ倒れてるんじゃないだろうな!? 心配になってクッションを放り出し立ち上がった先に、檸檬がゆっくりと歩いてくるのが見えた。 「檸檬っ!遅いじゃないか、どうしたんだ?具合でも悪いのか!?」 飛び付いて撫でまくる俺に、檸檬は小さく首を横に振りぽそりと呟いた。 「…いいえ、大丈夫…」 「顔が赤いぞ?逆上せたんじゃないのか? あぁ、水を持って来てやるからそこに座って!」 手を引いてソファーに座らせると、冷蔵庫のミネラルウォーターを引っ掴んで檸檬の側に飛んで行く。 「ほら、飲んで。」 「アリガト…………はぁ…」 ひと心地ついたのか、檸檬の表情が緩んだ。 風呂上がりでしっとりとした、体温の少し高い檸檬の身体を引き寄せた。 気持ちイイ。イイ匂いがする。堪んねぇ。 「檸檬、心配するじゃん。」 「ゴメンナサイ。」 「謝らなくてもいい。ちょっと休もうか…」 檸檬は抗わずに俺に身体を預けてくる。 かわいい。かわい過ぎる。 おい、誰か聞いてくれ!見てくれ! これが俺の愛おしい伴侶の檸檬だぞ!! 羨ましいだろっ! 理性が半分に減っていた俺は、これからその半分が無惨に砕け散ることをまだ知らなかった。

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