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お楽しみはこれから(7)

腰に負担の掛からないように、後部座席にクッションを敷き詰め、檸檬を座らせた。 「満さん、横になってもいい?」 「勿論!」 檸檬が楽な姿勢をとらせて、なるべく振動がしないようにゆったりと車を走らせた。 色々話したいが前と後ろでは、お互いの会話が聞き取りにくいし、何分夕べ無理をさせてしまっているから、檸檬を休ませてやりたかった。 というのは表の理由で、今晩もしっぽりと…そのためには檸檬の体力を温存させねば!という欲に塗れた俺の思惑があったのだ。 暫くは、それなりに会話のキャッチボールができていたのだが、段々と檸檬の声がしなくなった…と思ったら、眠ってしまっていた。 バックミラーに映る天使の姿をチラ見しながら、俺は一人寂しく旅館へと向かっていた。 「着いた…檸檬、着いたぞ。起きれるか?」 「ん…ごめんなさい、寝ちゃってた…」 きゅるん!という擬音が似合いそうな檸檬は、目を擦り俺を見つめる。 おおっ、天使降臨…背中に羽根が見える… 「ううっ…やっぱりちょっと痛ぁーい…」 腰を押さえる檸檬。 満さんのせいだからね、と少し唇を尖らせ、腰を摩りながら歩く檸檬を後ろから支えんばかりに手を添えて歩く俺。 側から見たら、変なカップルに見えていたかもしれない。 檸檬の思い掛けないプレゼントで、すっかり調子に乗った俺は、加減したと豪語しつつもやっぱり檸檬を抱き潰す結果となった。 「…満さん、加減してって言ったのに…」 「ごめんって…檸檬があまりにも扇情的で蠱惑的で色っぽくってセクシーでキュートで、むぐっ」 「もう、黙って下さいっ!」 檸檬を称賛する言葉を紡ごうとするのだが、両手で口を塞がれてもごもごと尻つぼみになってしまった。 頬を染めてまた歩き出した檸檬の後に続く。

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