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お楽しみ、再び(11)

そう。世間的にまだ偏見のある同性婚の俺達には、種々の障害が現れることがある。 表立っては言わないが、社内でも批判的な人もいると聞く。とはいえ、ほぼほぼ歓迎ムードで迎えられているんだけど。(特に『腐女子』と言われる方々と、“同種のカップル”に) 対外的な取引先なんかでも、満さんは揶揄されることもあるらしい。 満さんだけでなく、本家の方にもクレームみたいな電話や封書が届いてるそうだ。 みんな俺に心配をかけまいとガードしてくれているようで、直接俺の耳には入ってこないけれど、悪意の種はいつの間にか其処ここに蔓延っているのが分かる。 そんなこと分かりきった上での“結婚”だ。 でも、いくら気にしないように努めていても、人より感情のアンテナが張り巡らされてる俺にとっては、精神的にキツいことも多々ある。 満さんにはちゃんとした女性のお嫁さんの方が良かったんじゃないか、とか、俺が女だったら良かったのに、とか、どうにもならないことをグダグダと思い悩むこともあるんだ。 そうかと言って、別れる気なんかさらさらない。俺は、満さんと離れて生きていくことなんてできない。 もしそうなったら寂しくて命を落とすかもしれない。 俺、どうしようもないくらいに満さんのことを愛しちゃってるんだよなぁ… そんなことを考えていると、突然満さんが目を開けた。 「どうした?眠れないのか?」 ひえっ 「うっ、ううん!!癖でいつもの時間に目が覚めちゃって…目の前に満さんの顔があったから、見惚れてた…」 「ははっ。カッコ良過ぎて惚れ直したんだろ? まだ早い。もう少しこのままで…」 満さんは俺を抱き直すと、また静かに寝息を立て始めた。 はぁ…吃驚した… でもこの温もりは絶対に手放さないから。 ぎゅ、と抱きついて俺も二度寝を決め込んだ。

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