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ご褒美(1)
side:満
確かに。確かに、がっついたのは俺が悪かった。
だって仕方ないだろ?俺の檸檬が俺のためにアンナコトやコンナコトしてくれたんだぜ?
あの下着なんて鼻血出そうなくらいに興奮した。キュートでセクシーで蠱惑的で。
前のパンツだけでも相当イったのに、キャミソールなんて檸檬に似合い過ぎて、ネジが飛んだ。理性がぶっ飛んだのが分かった。
お願いしたらまた着てくれるだろうか。
俺の檸檬、サイコー!
それなのにそれなのに。
さっきは拒まれて寂しかったなぁ。
まぁ、受ける檸檬の身体の負担を考えたら無理なのは、重々分かってるんだけど。
分かってるんだけど。
名残惜しくて檸檬の髪の毛や頬を触ってみる。
そうやってたらソノ気になって、俺を構ってくれるんじゃないかと思ってさ。
ところが、檸檬は牽制するように「満さん、お休みなさい」と言いやがった。天使の微笑み付きで。
くそっ。
分かってるって…
「檸檬……ううっ、お休み…」
呻きながら物分かりのいい大人を演じたものの、諦めきれずに何度もため息をついていた。
そんな俺の様子に、檸檬が笑いを堪えているのが分かったけれど、ため息を止めることはできなかった。
そのうちに檸檬は静かな寝息を立てて眠ってしまった。
眠れる森の美男 。
俺の檸檬は本当に綺麗だ。きっと今までだって男女問わず声を掛けてきたに違いない。
性格だって文句なしだ。
いつも俺のことを、いや俺のことだけではないな、周囲の人間に気を配り過ぎる程のアンテナを張り巡らせている。
時々しんどくないか、と心配になる時もあるのだけれど。
檸檬を知ったらみんな檸檬のファンになるんだ。
俺の両親だって同じこと。
あっという間に檸檬は金山の家族になった。
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