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ご褒美(5)
想像力逞しく、崩れる顔を押さえていると
「満さん…お待たせしました…」
と檸檬がドアから顔を出した。
「俺も入ってくるから待ってて。」
檸檬の手を引いて布団に押し込むと、おでこにキスを残して秒でシャワーを浴び、戻ってきた。
大人しく布団に潜っていた檸檬の横に滑り込むと、バスローブの紐に手を掛けた。
「ああっ、待って!やっぱり待って!」
俺の手をぐいぐい押し退け焦る檸檬の顔が赤く染まる。
不審に思い動きを封じ込めるように抱きしめた。
「だってさっき檸檬が『少しなら』って言ったんだよ?
あれ、嘘じゃないよね?」
「うぅぅ…」
「“少しなら”いいんだよね?」
「………」
檸檬はゆでダコのように耳まで真っ赤な顔を背けて黙っている。
無言の答えを肯定と取った俺は、力を失った檸檬の手をそっと横に退け、腰紐をゆっくりと解くとバスローブの前をはだけた。
「っつつつ!」
嘘だろっ!?
現れたのは、色違いの黒のキャミソールっ!
黒のパンツはかわいらしくもっこりだ!
鼻血が出そうなのを堪えるのに、思わず鼻を摘んだ。
「ヤバい…鼻血、出そう…檸檬、これ、何のご褒美?」
下から小さな声が聞こえた。
「…だって、だって、満さん凄く喜んでたから…白と黒どっちが好きかなぁー、って……あ、嫌なら脱ぐから…」
俺は檸檬にのし掛かると、鼻息荒く答えた。
「…ごめん、少しじゃ済まない…
本格的に檸檬をいただきますっ!」
「えっ!?あっ、あっ、あぁーっ!!!」
「…檸檬、ごめん、ごめん。俺が本当に悪かった。
だから許して、ね?ね?」
ぴくりとも動かず、ベッドに横たわる檸檬の側で、正座&土下座の俺。
確かに、理性がぶっ飛んだ俺が悪い。
凍てつきそうな空気の中、ひたすら謝って許しを請う。
「…煽った俺が悪いんですけど…加減を知って…」
「はいっ!ごめんなさーいっ!!!」
結局、謝り倒して許してもらったのだった。
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