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惚気(5)

俺が開いたのは、遥さんから送ってもらった写真のフォルダ。 「遥さんから、『あるリスト』を送ってもらったんだよ。 あのひと、式を終えた後のハナヨメに、こっそりとプレゼントするんだって。 『ダンナ様がとてもお喜びになるんです』 だっただろ? これって結構、後引いてさ。 無料のプレゼントで、一見経営的にマイナスのように見えて、ファンが増えて注文殺到、後々利益を生む。 他人(ひと)も良し、我も良し。 経営者の鑑みたいなひとだよなぁ。 あんな綺麗な顔してやることは滅茶苦茶冷静だ。是非ウチにほしい人材だよ。」 「…その考えを今度の企画に盛り込むように誘導しろ、と仰りたいんですよね? 承知しました。さり気なく次の会議でぶっ込みますよ。 でもねぇ、社長。人事の私が企画会議に参加するって違和感ありませんか? まぁ、何を言われてもいいんですけど。 はぁ、ソレが顔面崩壊の原因ですか… その裏は……要するにハマっちゃって、ヨメを愛しちゃって困るぅ、って感じなんですね。ぶふふっ。」 「言わせたい奴には言わせておく。 お灸は据えてやるけどな。 俺は部署も部門も関係なく、あらゆる角度から優秀な人材の意見を聞きたい。それだけだ。 社内会報にもそれは打ち出してある。 何だ、バレたか。 おうよ。俺の檸檬はサイコーだぜ? 俺の誕生日のために、自分で用意してくれてるんだからな。 今度は俺が選ぼうと思ってさ。」 「社長、自分()だけだなんて、思わない方がいいですよ。」 勝ち誇ったような笑みを浮かべた赤石が携帯を取り出し、画面を操作して俺の前に差し出した。 「チェックが付いているやつは、俺がキープしてますから、それ以外で選んで下さいね。 被ると何だか気不味いんで。」

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