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ダンナ達の思惑(1)
side:檸檬
企画会議の後…というよりも、赤石部長と外出した後の満さんの機嫌が頗 る良い。
ご機嫌で、鼻歌まで飛び出している。
黒原さんとヒソヒソ話をする。
(アレ、どうしちゃったんだろうね?
会議で何かあった?)
(いいえ。いつもと同じ感じでしたけど…会議というより、赤石部長と出掛けて帰って来てからあんな感じです。)
(ふーん…何かよからぬことでも考えてるのかも…檸檬君、気を付けといてね。)
(えっ!?よからぬこと、って…)
(さぁ、それは分かんないけど。
有給休暇は何時でも受け付けるから、遠慮なく申請してね。)
(何で有給休暇なんですか?)
(いやいや、他意はないから。気にしないでね。)
「おーい、黒原ぁーっ!」
「はいっ、ただいま!檸檬君、後でね。」
社長に呼ばれて黒原さんが行ってしまった。
何となーく、何となーくだけど、嫌な予感しかしない。
…そうだ!若林君にカマ掛けてみるか。
俺はコッソリとLINEにメッセージを送った。
《お疲れ様です。
仕事中、申し訳ありません。
仕事ではなく、プライベートなご相談です。
会議後、赤石部長に何か変わったことありませんか?
例えば超ご機嫌とか、ハイテンションとか…
実は、社長がちょっと…何か良からぬことを部長と2人で考えているかも、と思って、若林君なら何かご存知かとLINEしてしまいました。
何もないならいいんです。
変なLINEで申し訳ありませんでした。》
5分くらいして、返信が来た。
《お疲れ様です。
仰る通り、携帯を眺めてはニヤついています。
会議後に、社長と2人で外出してますよね?
多分、その時に何か話をしたのかと…
自分も気を付けて見ておきます。
何か変わったことがあったら、すぐにLINEしますね!
よろしくお願いいたします!》
OKのスタンプを速攻で返した。
やっぱり…やっぱり、何か、ある。
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