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ダンナ達の思惑(13)
「社長、そろそろお暇を…」
「あっ、そうだな。楽し過ぎてつい長居をしてしまいました。
隼人さん、遥さん、ありがとうございました!」
「俺、また来ますっ!ぐふぐふっ」
「ニール、気持ち悪い。
ではこれで。」
「お待ちしております。是非またお越し下さいね。」
「何もなくてもお茶しに来て下さい。
お待ちしていますよ。」
優しいお2人にお礼を言い、薔薇の庭園を見ながら、戦利品を手に俺達は満足感で満たされていた。
「満、赤石君、今日は本当にありがとう。
俊樹へのプレゼントをゲットして嬉しいのは勿論なんだけど、それ以上の収穫があった。
俺『あんな経営者になりたい』って心から思える人に出会えて、滅茶苦茶嬉しいよ。
なぁ、また誘ってくれ。
今日のお礼は日を改めてするよ。じゃあ!」
「あぁ、またな!」
「お気を付けて。」
エンジン音も軽やかに去っていくニールを見送り、俺達も車に乗り込み、夕食を共にするべく車を走らせた。
「社長、ありがとうございました。
公私共に充実した時間を過ごさせていただきました。」
「いや、こちらこそありがとう。
希望通りのモノも手に入れることができたし、“こうありたい”と目指す経営者に刺激を受けて、また励みになる。
また行こうな…一応、ニールにも声掛けるか……」
「ふふっ、そうですね。
あんなにはしゃぐアンダーソン社長、初めて見ましたよ。
……黒原秘書にはお気の毒ですが……」
「それ考えたら頭が痛い。あくまでも、俺達は関係ないからな。
絶対にシラを切り通さなくては…
それはそうと、週明けの若林の有給休暇、ちゃんとしてやれよな。」
「それは大丈夫です。もう俺から勝手に申請済みですから。
社長こそ、秘書が2人ともお休みで大丈夫ですかね?」
「ふふん。心配するな。
大事な用事は月曜には入れてないし、入れるなと言ってある。」
抱き潰す気満々な攻君達なのであった。
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