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ダンナ達の思惑(14)
『美味い定食屋を見つけた』と言う赤石に連れられ、その言葉通りの晩飯(俺は鯖味噌定食、赤石は焼鯖定食を食べた)で腹を満たした俺は、戦利品を抱えて意気揚々と帰宅した。
「たっだいまぁー!檸檬!帰ったぞぉー!」
「満さん、お帰りなさい!……って、それ、何ですか!?」
訝しがる檸檬の問いには答えず
「またのお楽しみだよ。」
と、クローゼットに片付けた。
ふっふっふっ。週末のお楽しみさ。
あと2日、2日仕事を頑張ったら、お披露目できる…アンナコトやコンナコトを…ぐふふっ…
「…満さん?」
「いや、何でもない。檸檬は何を食べたんだ?」
「黒原さんと一緒に焼肉です!
すごく美味しかったので、今度満さんも行きましょうね!会社からも結構近いんですよ!
満さんは何を?」
「赤石が新規開拓してきたオススメの定食屋でな、俺は鯖味噌定食を食べてきた。
今度檸檬も連れて行ってやるよ。」
「はい!ご一緒できる所が増えて嬉しいです。
お風呂も沸いてますが…」
「そうだな。檸檬は入ったのか?」
「はい、今日はお先にいただきました。
ごめんなさい。」
「いや、謝らなくていい。じゃあ、俺も入ってくるよ。」
俺の檸檬はかわいいっ!
鼻歌まで飛び出しそうなのをちょっと我慢して、風呂に入ることにした。
檸檬から少し疑惑の視線を感じていたが、いつもと変わらぬフリをしてやり過ごす。
どうかバレていませんように。いつも通り、いつも通り、と呪文のように心で唱えながら…
はぁ…檸檬が絡むと、どうしていつもこうなるんだろう。
情けないけど冷静ではいられない。
まぁ、仕方ない。だってこんなに檸檬のことを愛しているんだから。
風呂から上がると、檸檬がキッチンにいた。
明日の弁当の準備をしているらしい。
「檸檬、手伝おうか?」
「大丈夫ですよ、もう終わりますから。」
何をやらせても俺の檸檬は完璧だ。
後ろから抱きしめてキスをした。
それ以上は…週末まで、我慢我慢を決め込んだ俺なのだった。
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