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ダンナ達の思惑(15)

side:檸檬 怪しい。限りなく怪しい。 他人(ひと)の空気感を読むことに長けている俺には、すぐに分かった。 大きな紙袋を抱えて(袋の口から、ブルーのリボンがチラリと見えた)帰ってきた満さんは、明らかに挙動不審だった。 オマケにその紙袋は(満さんは隠したつもりだったのだろうけど)、優しい空色と白のストライプで、遥さんのお店のロゴがさり気なく描かれている物。 満さん、幾ら抱えて隠しても、ロゴがばっちり見えてますよっ!!! 俺が見逃す訳がないっ! 若林君から聞いた赤石部長の様子といい、今日2人で出掛けて行ったことといい、やたらとテンションの高い満さんの様子から、嫌な予感が頭を駆け巡った。 まさか。 まさか、“例の”“アノ”コレクションが増えた!? 俺は満さんがお風呂に入っている隙に、急いでクローゼットを開けて、袋の中身を確認した。 「うわぁ……」 絶句。ひたすら絶句。 やっぱり、2人で買いに行ったんだ…… ひえっ!こんなの誰が着るの?俺?もしかしなくてもそうだよね!? 何枚、何セットあるんだ!? この、リボンのかかった奴って、特別!? …満さん、こういう趣味だったんだ……ちょっと引くわー……でも、かわいいけど。 ああっ、ヤバい!見つかっちゃう!! そっと、そっと元通りに片付けて、キッチンに戻った。 心臓がバクバクしてる。 俺に内緒で赤石部長と遥さんの所に行ったなんて。 アノヒト達、一体何考えてるんだ!? 俺は動揺しながらも、ゴソゴソと明日の弁当の準備をしていると、お風呂から上がった満さんがやって来て、バックハグされた。 「檸檬、手伝おうか?」 「大丈夫ですよ、もう終わりますから。」 すこぶるご機嫌だ。 あれ? キスだけで行っちゃった……いつもだと、ここでイチャイチャが始まって、時にはで、色々と、あの……コホン。 ううっ、決して期待していた訳ではない。

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