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ダンナ達の思惑(17)
布団を捲り、ピンと張ったシーツの上に寝っ転がる。
「…満さん、早く来ないかなぁ…」
情けない声が、ぽろりと口から零れ落ちた。
布団の両端を胸元に持ってきて、くるりとうつ伏せに丸まる。
ひんやりとした寝具は、暫くして俺の体温で暖かくなってきた。
キングサイズのベッドは、ひとりでは広すぎる。
『寂しい』という感情が、次第に俺の胸一杯に広がっていく。
ええっ…俺ってこんなに女々しかったっけ!?
満さんが出張に行く時は、前もって分かってるから、出かける前に散々2人でイチャイチャして補充してもらうから、ひとりでも何とかなっていた。
でも、今夜は何かが違う。
俺が嫌がってもベタベタくっ付いてくる満さんが、俺を先にひとりで寝かせるなんて。
急に焦燥感に襲われる。
満さんが嫌がるようなこと、何かしたっけ?
うーん、記憶にない。
帰ってきた時は、超ご機嫌だった。
袋の中身は、絶対に『アレ』だ。
今夜は使う気なさそうだけど。
満さんなら喜んですぐに使いたがりそうなものなんだけどな。
どうして気が変わったんだろう。あのラッピングは、俺じゃない誰かへのプレゼント!?
浮気!?
いやいや、まさか。満さんに限ってそんなこと。
…倦怠期!?俺に飽きた!?
えっ、だってまだ俺達新婚さんだよ!?
あっ…俺、最近忙しくて、お肌の手入れも怠っているかも…
料理や掃除の手は、抜いてない…と、思うけど…
あああああっっっ!!!!!何だこれ?
落ち着け、檸檬!
満さんはお前だけを愛してくれてる!
うん、絶対にそうだ!間違いない。
「はぁーーーっ……」
大きなため息をついて、仰向けに体勢を変えた。
らしくない。俺らしくない。
天真爛漫元気な檸檬は何処に行った!?
構ってもらえない、ただそれだけでこんなに不安になるなんて。
しっかりしろ!
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