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ダンナ達の思惑(24)

それからは慌ただしかった。 来月までの仕事を段取りして相手方と打ち合わせをして、満さんを送り出し、あっという間に退社時刻を迎えた。 黒原さんは、午前中のヘタレ具合が嘘のように精力的に動き…いや、いつも以上に何だか凄かった。 満さんがいない日は、いつものように黒原さんと一緒に帰ることになっているのだけれど、何となく声を掛けるのを躊躇っていると 「檸檬君、一緒に帰ろう!」 と誘ってくれた。 ホッとして頷き、バタバタと片付けを済ませて、黒原さんの後に続いて退社した。 「黒原さん、今夜はちゃんと睡眠を取って下さいね。 そうだ!俺、夕食何か作ります!」 「うん…今夜はお利口にして寝るよ… せっかくだけど、夕食は…いいや。 このままゆっくり風呂に入ってすぐ寝るわ…」 「ダメですよ! 黒原さん、ただでさえ食が細いんですから、何か口に入れないと!」 「あはは、大丈夫大丈夫! ちゃんと食べるから…とにかく、風呂に浸かりたい気分… あーぁあー…やだなぁ、こんな情けなくて弱っちいところ見せちゃってさ… 大体さぁ、睡眠不足で仕事に支障をきたすなんて、恥ずかし過ぎるよ。 これ、聡子さんやうちの親父にバレたら半日説教食らうパターンだよ…」 「大丈夫です。誰にも言いませんから。」 「ありがとう…満が心配だな…一応、出かける前に念押ししたんだけど。」 「ああ見えて、満さん口が堅いですから。 それより黒原さん。 ちゃんとご飯食べてからお風呂入って、ゆっくり休んで下さいね!」 「はぁ、面目ない…檸檬様、承知いたしました!」 「もう!茶化さないで下さいね!」 仲良くスーパーに寄って、黒原さんはすぐに食べれる惣菜を。俺は足りなかった生姜と味醂を買った。 「黒原さん、やっぱりおかず持って行きますよ。」 「檸檬君、今日は本当に気持ちだけいただくよ。今度お願い。ね?」 今夜はひとりでいたいんだろうな。 そう思って、引き下がった。

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