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ダンナ達の思惑(27)
脱衣所に満さんの着替えを持って行ったり、洗濯物を片付けたりしているうちに、あっという間に時間が経ってしまった。
「そろそろかな…」
早く会いたくて落ち着かない。
俺、こんなに満さんに依存してたんだろうか。
さっき聡子さんに褒めて貰ったばかりだというのに。
ドキドキしながら、今か今かと待ち構えていると、玄関の鍵が開く音がした。
「れもーん、ただいまー!」
「満さんっ!」
慌てて飛んで行くと、風呂敷包みを抱えた満さんが微笑んでいた。
「ただいま、檸檬。これ、聡子さんから。
皆んなお土産とっても喜んでいたよ。ありがとう。」
頭をくしゃくしゃと撫でられて、連れ立ってキッチンへ向かう。
満さんに会えて嬉しくて、子犬みたいに纏わり付く。
「おにぎりありますけど…先にお風呂にしますか?」
「そうだな。先に入ってゆっくり食べるとするか。」
満さんがお風呂に入っている間、夜食の準備をする。
お重を開けると、俺も大好きなだし巻き玉子やじっくり味の染み込んだ煮物なんかが、ぎっしりと詰まっていた。
「美味しそう!」
もう、こんな時間か。電話をするのも憚られる。
取り急ぎ、聡子さんにお礼のメールを打っておいた。
風呂から上がった満さんと、俺もお相伴に預かって箸を進める。
うん、美味しい!流石聡子さんだ。
結局『今日の呼び出しは今度の法事の段取りのこと』だった。
本家の皆んなも変わらず元気なことに安心して、聡子さんからの電話のことも伝えた。
「檸檬にも会いたがっていたから、今度は一緒に行こうな。」
「はい!ぜひ。」
お世辞でもそう言ってもらえると嬉しい。
今度お邪魔する時は、また聡子さんの料理教えてもらおう!
くふくふと笑う俺の頭をくしゃりと撫でた満さんは
「ご馳走様!美味かった。
檸檬、このままで悪いが疲れたから今夜は休むよ。片付けしないですまない。」
「大丈夫です!お休みなさい。」
1人で寝室に向かう後ろ姿に、何故か胸がチクリとした。
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