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してやったり(13)

side:檸檬 まるで追い返されるようにマンションに着いた。 何処となく満さんの様子が変だ。俺が知ったら何かマズいことでもあるんだろうか。 まさか…まさかの浮気!?それはないか… 去って行く車が見えなくなるまで見送って、ため息をつきながら部屋に戻る。 荷物…急ぎの荷物って何だろう。届いたら会社に持って行けばいいんだろうか。 何となく身体も怠い気がする。 熱は……なかった。ホッとした。夕べ眠れなかったからそのせいだと思う。 それから間もなくして届いた荷物は… 「え…これは…」 「金山檸檬様宛です。こちらにサインをお願いいたします。」 俺宛?今日は別に記念日でも何でもない、普通の日なんだけど。 戸惑いながら受け取ったのは、滅茶苦茶豪華なアレンジメントとケーキの箱。 一体これはどういう意味なんだろう。 この時間は…もう会議が始まってる。 取り急ぎ満さんに『ありがとうございます』とお礼のメッセを送り、黒原さんに電話をした。 『はい、黒原です。』 「黒原さん、檸檬です!荷物届きました。 社長会議中だと思うので、一応お礼のメッセを送ったんですけど…」 『そう、届いた?良かった。で、具合はどう?』 「何だか身体が怠くて。多分昨日、夜更かししたせいだと思います。不摂生で申し訳ありません。」 『大丈夫、大丈夫。今日は俺に任せてゆっくり休んでね。こちらのことは気にせずに。』 「…申し訳ありません。ちゃんとできるように、お言葉に甘えて今日は休ませていただきます。 あの…満さんはどうしてこれを俺に?記念日でも何でもないのに…」 「君の体調のことを凄く気にしてたから…別に他意はないよ。 気にせずにとにかく休んで。悪化するようなら遠慮なく俺に電話頂戴。」 「はい、申し訳ありません。よろしくお願いいたします。」 じゃあね、と柔らかな声で電話は切れた。

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