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してやったり(18)
ぐすぐすと鼻を鳴らしながら訴えた。
「…満さんの、ばか。紛らわしいこと、しないで。
俺、俺、本当に捨てられるかと……」
満さんは、顔を俺の頬にぐりぐり擦り付けながら
「悪かった…こんなかわいい檸檬を誰が手放すもんか。嫌だと言っても一生離してやらない。
ほんっとぉに、悪かった。ゴメン。」
「……泣き過ぎて、頭、痛い。」
「ああっ…どうしよう…ごめんな、檸檬…そうだ、ちょっと待ってて。」
俺のつむじにキスをして身体を離した満さんは、ミネラルウォーターのボトルを手に戻ってきた。
「ゆっくり飲んで。」
キャップを捻り手渡されたそれに口を付けた。
ひりつく喉にじゅわりと水分が染みていく。
半分くらい飲んで、ちらりと満さんを見つめる。
「ん、いい子。」
そっと頭を撫でられた。
「ご飯、食べれるか?その様子なら昼も食べてないんだろ。」
頷くと横抱きにされてリビングに運ばれる。
それからの満さんは、この数日間のイチャなしを取り戻すように、甲斐甲斐しく俺の世話を焼きたがった。
膝の上に乗せて、手ずから口に入れられ食べさせられる。
「子供みたいだから止めて」と言っても笑顔で無視された。
「シャワーを浴びたから」と拒否しても、素っ裸にされて頭の天辺から爪先まで念入りに洗われた。勃ちそうになって逆に冷や汗をかいた。
布団に入る頃には頭痛も治まり、誤解も解けて落ち着いた俺は、裸のまま満さんに抱かれている。
何か言いたそうな満さんの口元は、薄く開き掛けては再び結ばれる。
満さんが何を言いたいのか、何をしたいのか、俺にはお見通しだ。ちゃんとわかっている。
でも、俺からは言ってやらない。散々人を振り回した罰だ。
俺に当たる満さん自身が硬度を増してきた頃
「…檸檬…身体が辛くなければ……抱いてもいいか?」
ああ、我慢の限界が来たんだな。
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