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してやったり(23)

妄想が膨らんで止まらない。 ダメだダメだ。このまま眠ろう。 でもその前に……檸檬がお腹を壊さないようにちゃんと後始末をして(最後の方はスキンをつけるのももどかしくて、してなかった)全身熱いタオルで拭いてやった。 俺もついでにざっとシャワーを浴びた。 そうだ、シーツ!檸檬をそっと抱いてソファーに避難させ、ベッドメイクを済ませると、また抱いて横に寝かせる。 こんな細っちい身体で俺を受け入れてくれて… 檸檬、ありがとう、愛してるよ。 添い寝した俺は、檸檬自身をそっと握って…これくらいは許してくれるだろう、うん、許してくれ…と言い訳をして、尚且つ頭の中であれこれと檸檬に着替えをさせて、かわいくおねだりする様を思い描きながら、目を瞑り妄想の夢の世界へ旅立ったのだった。 いい匂いがする… あったかくて、気持ち良い肌触り… 幸せな気持ちで、ぱち、と目が覚めた俺は、檸檬を抱きしめたまま眠っていたようだった。 うん、俺の姫はまだ夢の中か。 かーわいいっ♡ちゅっ、ちゅっ♡ 「…んっ…満さん?…ん…痛ぁぁっ!!」 「檸檬?檸檬?どうしたんだ?」 うううっ、と呻いて腰を押さえた檸檬は 「腰が…腰が…」 と顔を顰めている。 あっ…ヤり過ぎたんだ…と悟るまでに数秒。 ここはすかさず謝罪だ。 「檸檬、ゴメン!俺が調子に乗ったせいだ。 すぐ湿布を貼ってやるからな!」 非難のジト目で俺を見る檸檬を宥めながら、ペタペタと湿布を貼っていく。 檸檬のカスカスのハスキーな声に、ちょっぴりの罪悪感と、“こんなに喉を潰す程、感じて喘ぎ声をあげたのか!”なんていう嬉しさが入り混じって、顔がニヤけてくるのを抑えることができない。 今日は朝から檸檬の下僕と化して、何でも言うことを聞こうと決意している俺なのだった。

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