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「んじゃ、耳は飽きたから乳首にでも開けるか」
「…え、マジで」
「なに期待してんだマゾ」
「ちげぇよアホ。んな所に開けたら体育の時着替えらんねぇだろ」
「神崎なら問題ねぇだろ。どうせ他人に見られて興奮すんだろ?」
「そこまでマゾじゃねぇ!」
そうこうしている内に、俺は上半身を裸に剥かれてしまった。
この下衆野郎には何を言っても無駄だ。
藍堂はまたポケットをあさると、ガーゼと消毒液を取り出した。
何でもかんでもポケットに入れるのは止めろよな。
「ふは、乳首ピンク」
「うっせぇ…っ、あ」
「バリタチのくせに乳首感じてんなよ」
「っん…藍堂、噛んで…」
「は、やだよ。神崎が喜ぶだけじゃん」
くそ、自分だけ楽しみやがって。
藍堂は俺の乳首を親指でなぞるだけで、摘んでも引っ掻いてもくれない。
これならさっさとニードルを刺して欲しい。
「っはぁ…藍堂、早く…」
「さっきまで抵抗してたのは誰だよ」
ニヤニヤと楽しそうな藍堂に自ら強請る羽目になってしまった。これも全てコイツの思惑通りだろう。それが滅茶苦茶悔しい。
ようやく神崎はガーゼに消毒液を垂らして、それを俺の乳首に押し付けて来た。
「っ、ん」
「よし、んじゃ刺すぞー」
「っはぁ、はぁ…」
「はぁはぁうっせぇよ」
俺は藍堂の言葉も耳に入らない程に興奮していた。
自分でもこんな事で興奮するのはおかしいし異常だと思う。
でも仕方ない。性癖は自分ではどうしようも出来ない。だから俺はこうやって、藍堂に世話をして貰っている訳だ。
それにこれは、俺も藍堂の性癖を世話してやっている事になる。
つまりギブアンドテイクの関係だ。
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