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「…てめぇ、ふざけんなよ」
「っぐ、ぁ!」
するとあろう事か、藍堂は思い切り顔面を殴り付けて来た。
いつもセックスの時はマグロだった俺に喘がされた事が気に入らなかったんだろう。
口の中に血の味が広がる。けど俺の性器は萎える事は無い。つくづく俺達の相性は良いらしい。
「殴られて感じてんじゃねぇよマゾ野郎」
「あ゙、ぐっ…ぅあ」
俺の腹に両手を付いて腰を上下に動かす藍堂。藍堂の体重が全て俺の腹に集中していて苦しい。このまま潰されてしまいそうだ。
俺は呻き声を上げつつ、藍堂の腰を掴んで出来る限り腰を動かす。そうしないと中々藍堂はイかないのだ。
それに比べて早漏の俺はすでに限界だった。
「っはぁ…まだ血出てんなぁ」
「ゔぁ、イくっ…ぁあっ!」
「っん…てめぇ、何回イってんだよ」
ピアスを思い切り引っ張られて、俺はまた一人でイってしまった。
藍堂はピアスをグイグイと引っ張りながら恍惚とした表情で俺を見下ろし、そろそろ限界が近付いて来たのか、息を乱し腰を振る速度を速めて行く。
達したばかりなのに激しく性器を熱く湿った肉壁に扱かれ、意識が朦朧として来る。
それに加えて乳首への痛み。開けっ放しの口からは唾液が零れ、俺はただ藍堂に好き勝手にされるがまま。
「きたねぇ顔しやがって…っん、イく…」
「っぐ、あっ…!」
パンパンと肌がぶつかり合う音と、ぐちゃぐちゃと厭らしい水音が響き、そして藍堂の小さな喘ぎが耳元で聞こえた後に首筋への激痛。
藍堂は必ず、イく時に首筋を噛んで来る。それも思い切り。ぶちっと皮膚が裂け血が溢れ出す。
そして俺はとうとう、痛みと快感に耐え切れず意識を飛ばしてしまった。
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