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「…っん…」
「やっと起きたかマゾ野郎」
ゆっくりと目を開くと、目の前には不機嫌丸出しの顔で俺を睨み付ける藍堂が目に入った。
ヤバイ、また俺気失ってたのか。
俺は痛む身体に眉を寄せながら起き上がる。
「俺一回しかイってねぇんだけど?」
「…悪かったな、早漏で」
「本当てめぇは粕チンだな」
なら俺とヤんなきゃ良いだろ、と思ったけど口にはしない。
俺達は特別仲良しって訳でも、付き合っている訳でも無い。どちらかと言えばセフレと言う言葉が一番合ってる。
それに俺は、認めたくは無いが神崎が居ないと色々と困る。
自分ではこの性癖はどうしようも出来ない。神崎に頼むしか無いのだ。
「次飛んだらぶん殴って起こすからな」
「わーったよ」
藍堂ならやりかねない。いや、絶対やるな。
俺は小さくため息を吐いて、乱れた服を整える。
そう言えば、血止まったのか。
俺は未だにズキズキと熱を持つ乳首へと目を下ろす。
「止まってる」
「あ?あぁ、ピアスな。流石俺、開けるのうめぇだろ」
「っう、まだ触んな」
「いてぇの?」
「当たり前だ」
藍堂はニヤニヤと楽しそうにピアスを弄って来る。
痛いけど、あんまり触られるとまた勃ちそうだから止めて欲しい。
多分藍堂もそれに気付いてわざと弄っているだろう。
「次は反対側に開けてチェーンで繋ぐか」
「ますます着替え難くなんだろ」
「期待したくせに」
「してねぇよ」
本当は、少し期待した。
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