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「もしかして、フェラしてくれんの?」
「誰が。そんな汚いの」
「ひでぇ!」
永野は俺のズボンを投げ捨てると、パンツまでズルッと脱がせて来る。
おかげで俺は、下半身だけ丸出しのなんとも間抜けな格好にさせられてしまった。
「なんで俺だけこんな格好してんだ」
「久我、四つん這いになって」
「四つん這い?!」
「早く」
「…ま、マジかよ」
永野の有無を言わせない理不尽な命令に、渋々と従う俺。
やっぱり俺、永野に犬扱いされてるよな。
俺は今、四つん這いで永野に尻を突き出した格好をしている。
こんなの恥ずかしいに決まっている。どうせなら永野に四つん這いになって欲しい。
けど何故か俺は、そこまで嫌には感じなかった。こうやって素直に応じちゃってるし。
「ひっ、なに?!」
急に襲った尻への冷たくぬるついた気色悪い感触。
思わず間抜けな声を上げてしまった。
バッと顔を後ろに向けると、永野は何かのボトルを手に持っていた。
「…なんだよそれ」
「ローション」
「なんで?!」
「これ入れるから」
「それって…」
何食わぬ顔で、永野はポケットからピンク色のローターを取り出した。
なんで永野のポケットからそんな卑猥な物が!
「田渕に貰った」
「田渕?!あんの変態眼鏡!永野に変な事教えんなってあれ程言ったのに!」
田渕はイツメンの中の一人で、あり得ない程の変態だ。
いつもマニアックな雑誌を愛読し、鞄の中にはアダルトな玩具しか入っていない。
田渕はよく面白がって、イツメンの中で一番純粋な永野に変な事を教えるのだ。
俺は何度被害にあった事か。
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