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「それはちょっと興味あるな」
「永野は何となく想像出来るな」
「くっそ可愛いぞ!」
久我はデレデレとだらしない顔をしている。
確か久我は永野が好きなんだったな。永野はどうなのか知らないが。
「永野に告らねぇの?」
「無理!絶対無理!!」
「なんでだよ」
「は、恥ずかしい…」
「ヘタレか」
「うるせぇ!それに振られたら今後気まずいだろ!」
久我なりに色々考えてるんだな。
でももし永野が久我を振ったとしても、永野は今までと何も変わらない気がする。
久我がひたすら一人で落ち込んでそう。
「神崎は、藍堂の事好きじゃねぇの?」
「まさか。藍堂はただのダチだ」
「一番仲良いし、毎日の様にヤってんのに?」
「相性は良いからな」
藍堂と恋人同士なんて考えられない。キスしたり、デートしたりなんて、考えただけでも鳥肌が立つ。
「つかこんな話初めてしたな」
「確かにな」
「これは神崎にしか話せねぇわ。藍堂と田渕は面白がりそうだし、榊原はノンケだし」
久我は相談出来た事が嬉しかったのか、ヘラヘラと笑いながら俺を抱っこする。
相談して来るのは良いんだが、このスキンシップはどうにかならないのか。
多分いつも永野としている事なんだろうけど、俺はこんなガキ扱いされるのはごめんだ。
「降ろせよ」
「わりぃ、つい小さい奴は抱っこしたくなるんだよな」
「小さい言うなこの巨人」
「いでで!」
俺は久我の頬を思い切り引っ張ってやる。
すると教室の扉が開いた。
「何してんだお前ら」
俺と久我が扉へ目を向けると、俺達を冷めた目で見る藍堂が立っていた。
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