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榊原の葛藤

「おぉ、こんな物もあるぞ榊原!」 「はいはい良かったな」 「これは神崎が好きそうだな!」 「何それグロいな」 さっきから俺の脚の間にすっぽりと座り、スマホでアダルトグッズのサイトを検索して楽しそうにしている田渕。 俺にアダルトグッズを見せられても困る。俺は玩具使わない派だ。 「何か注文したのか」 「勿論!届いたら皆で使おうじゃないか」 「俺は使わないからな」 「ノリ悪いぞ榊原!」 「俺は女とよろしくすんだよ」 鼻歌を歌いながら一体何に使うのかさっぱり不明な歪な形をした玩具を眺める田渕に、俺は呆れて溜め息を吐く。 藍堂とか永野とかだったら、一緒になって楽しむんだろうな。 本当イツメンのネコ共はまともな奴いないな。 「それにしても、スマホは目が疲れるな」 「少し休憩しろよ。また視力落ちるぞ」 「んー、そうだな」 ずっとスマホを弄っていた田渕はスマホを床に置くと眼鏡を外して目を擦り、俺の胸元にポスッと背を預けた。 何と無く上から田渕を見下ろす。 眼鏡を外すと整った顔が露になる。長い睫毛に、すっと通った鼻筋、薄く色付いた唇。 顔は綺麗なんだよな。永野は可愛い系で、藍堂はどちらかと言えば美人系。田渕はその中間。 「何だ榊原、そんなにジロジロ見て。ヤるか?」 「何でだよ。お前、顔は良いのに残念だよな」 「それは褒めているのか?榊原は顔も性格も完璧だぞ!」 「…それはどうも」 無邪気に笑みを浮かべる田渕に何故かきゅんとしてる俺。 いやいや、眼鏡してないだけで何ときめいてんだよ。

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