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「田渕」 「何だ榊原、随分顔がちか…んっ」 俺は気付いたら、田渕の顎を掴んで上を向かせキスしていた。 田渕は一瞬驚いて目を見開いたが、直ぐに受け入れ目を閉じる。 何俺からキスしてんだろ。 頭では冷静にそんな事を考えていたが身体は無意識に田渕を求め、俺は何度も田渕の唇を啄む。 「っん、ふ…はぁっ」」 「…っ、は…」 暫く唇を吸ったり舐めたりと軽い口付けを繰り返していると、田渕は頬を紅潮させとろんとした顔をしていた。 俺は我に返り、田渕から口を離す。 すると田渕がくるっと向きを変えて正面から抱き付いて来た。 「榊原、ヤ」 「らないぞ」 「何だと!俺の事勃起させておいて放置するのか?榊原は鬼畜だな!藍堂みたいだぞ」 「お前が勝手に勃起したんだろ」 キスだけで勃起した田渕が拗ねた様に眉を寄せて突っ掛かって来た。 「む。そんなに女が良いのか?」 「当たり前だろ、男に勃起は出来ない」 未だに眼鏡を外したままの田渕は頬を膨らませ、まるで餓鬼の様に拗ねる。 田渕が拗ねるのは珍しいな。 俺は仕方なく田渕の頭をあやす様に撫でる。 すると田渕はぐっと俺の肩を押し、床に押し倒して来た。 「おい、何すんだよ」 「なら俺が勃起させてやるぞ!」 「はぁ?何言って…っ馬鹿、握るな」 「流石の榊原でも、触られれば勃つだろう?」 何故そこまで俺を勃起させたいのか、田渕はぎゅっと俺の性器をズボン越しに握って揉み始めた。 男に触られるのは初めてだが、よりによって田渕に触られるとは。 田渕は容赦無くぐにぐにと性器を揉み込み、俺は慌てて田渕の腕を掴む。

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