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それから、俺の必死の奮闘はなんとか続いた。
昼は迎えに行かず、永野から来てくれるのを待ったけど来るはずも無く。
帰りも迎えに行かず様子を見たら、一人で帰るか田渕達と帰るか、たまにクラスメイトと帰ってた。
いつメンで居る時も、永野とは出来るだけ距離を取ってた。
そんな日が続き、俺は。
「…永野不足だ」
「久我にしては続いてんな。かれこれ一週間か」
「それにしても、永野は全然変化なしだな」
俺は一週間、ろくに永野と話さず、触らずの生活で干からびていた。
神崎の言うとおり、永野は全くと言っていい程、俺が近寄って来ないことが気にならない様だ。
これって、完全に脈なしって事か?
なんか、少しでも不安になってくれるかなって思ってた俺が馬鹿みたいだ。
「久我がおとなしいとキモいな」
「確かに」
俺は二人の言葉に反論する元気も無かった。
永野、本当に俺にそんなに興味無かったのか?
****
「最近さ、永野の忠犬こねぇな」
「…忠犬?」
「あー、あのでけぇやつな」
「久我の事?」
「そうそう。まさしく大型犬みてぇなやつ」
昼休み、久我が迎えに来なかったからクラスメイトと昼食をとっていた。
確かに、最近いつも迎えに来ていた久我が来なくなった。
なんか用があるんだと思ってたけど、かれこれ一週間、久我はクラスに顔を出さなくなっていた。
「久我ってやつ、いつも永野の隣にいるよなー」
「そうそう、マジ犬みてぇ」
ケラケラと笑うクラスメイト。
確かに言われてみれば、最近久我が煩くない。くっ付いて来ないし、話もそんなにしてない…?
「お前らってどんな関係な訳?付き合ってんの?」
「付き合ってない」
「へー?なら俺立候補すっかなー」
「うわ、お前ホモかよ」
「いや、永野はその辺の女よりは全然可愛いだろ?」
「それは分かる!」
久我が来ないから、何と無く一緒に居るクラスメイト。
彼等と一緒に居るのは気楽で良いけど、久我と居る時とは違う。何が、かはわかんないけど。
するとクラスメイトの一人が肩を抱いて来た。
「あいつの所為であんま絡め無かったから丁度良いわ。これからもっと俺らと遊ぼうぜ」
「そーそー、永野も解放されてスッキリしたろ?」
解放?って何。久我はもう、今までみたいに俺に話しかけて来ないって事?
いつも当たり前に側に居たから気にしてなかったけど、久我が居ない事は、全然考えた事無かった。
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