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放課後になり、やっぱり久我は迎えには来なかった。 田渕達が俺らと帰るかと聞いて来たけど、クラスメイトにも誘われてたから断った。 「どっか寄ってこーぜ。永野どこ行きたい?」 「別にどこでも良い」 「俺腹減ったー」 「んじゃファミレスな」 昇降口を出ると、榊原と居る久我を見付けた。 なんだ、用事じゃないんだ。 「あれ、永野の忠犬じゃん。隣のは…げ、榊原だ」 「相変わらずイケメンですこと」 すると榊原達も俺達に気付いた。久我は俺に気付くなり驚いたのか間抜けな顔をした。 「永野、友達と居たんだな」 「そーそー、これから俺らでデートすんの」 「で、デート…」 ぐいっと馴れ馴れしく肩を抱きながら言うクラスメイトの言葉に、久我は黙り込んだ。 それを見て呆れた様に溜息を吐いた榊原が、俺の頭をくしゃりと撫でた。 「永野、また今度良い事しような」 「?」 何故かいやらしい表情で言う榊原に、クラスメイト達はチッと舌打ちした。 そして未だに黙り込む久我の頭を叩き、榊原は手を上げ去って行く。 「やっぱムカつくな榊原のやつ」 「イケメンうぜぇー」 明らかに様子が変な久我。今までは別に気にならなかったけどなんか、気に入らない。 **** 「永野が他の奴とデート!てか肩、肩抱かれてた!!」 「うっせえな。そこは俺の永野に気安く触んなくらい言っとけよ」 「何それイケメン!てか無理、榊原じゃねぇんだから」 永野は俺の事を気にしてくれるどころか、クラスメイトと楽しそうに放課後デート。 これってもう完全に脈なし決定だよな。 あれ、俺何で永野の事避けてたんだっけ…? 「榊原、もういっそ俺を抱いてくれ」 「は?」 「冗談だから、そんな真顔やめて下さい」 作戦は全くの失敗に終わり、永野が俺を気にしてくれるどころか、今まで以上に距離が広がってしまった。 もう何の為に永野を避けているのかも分からないまま、数週間が過ぎた。

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