92 / 135

9

「はぁっ、ん…」 「はっ…永野…」 気付けばお互いに息は乱れ、肩で呼吸を繰り返す。永野に至っては、仰向けの俺に永野がぐったりと乗っかり、完全に俺に身を委ねている。 そのおかげで、俺はもう好き勝手に永野にキスをしていた。 もう唇はヒリヒリと痛むし、口の周りはどちらのかも分からない唾液で濡れてべとべと。 それでも俺は、飽きずに唇を合わせていた。 「…永野」 「…なに…」 「俺、永野の事すっげー好き」 本当、今までなんで言えなかったんだってくらい、あっさりと俺の口から出た言葉。 ただ言いたい、そう思ったら無意識に口に出来た。俺って単純。 「もう今までみてーな関係じゃ物たり足りねぇの。永野を俺の物にしたい。てか、付き合いたい、です」 「…」 流石に恥ずかしくなって最後カタコトになったけど、気持ちを全て伝える事は出来た。 あとは永野の返答次第。 無表情で俺をジッと見る永野。考えているのか何なのか、とにかく俺は今は生死の境目に居る気分。 「永野…いて」 「久我は、俺のでしょ」 「は、はひ」 何故か永野が頬を摘まんで来て、俺は間抜けな声で返事をする。 「…だから、俺も、久我のだよ」 「!?」 一言そう言い、恥ずかしそうにぷいっと顔を背ける永野。 「ま、まひでふか」 「何言ってるか分からない」 それは永野が頬を掴んでるからだろ! 俺は永野の腕を掴み、もう一度再確認。 「今の、マジ?」 「うん」 「俺は永野の物で、永野は俺の物?」 「そう言ったでしょ」 「永野は俺の恋人?」 「…うん」 永野は俺の…恋人!!!!

ともだちにシェアしよう!