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「はぁっ、ん…」
「はっ…永野…」
気付けばお互いに息は乱れ、肩で呼吸を繰り返す。永野に至っては、仰向けの俺に永野がぐったりと乗っかり、完全に俺に身を委ねている。
そのおかげで、俺はもう好き勝手に永野にキスをしていた。
もう唇はヒリヒリと痛むし、口の周りはどちらのかも分からない唾液で濡れてべとべと。
それでも俺は、飽きずに唇を合わせていた。
「…永野」
「…なに…」
「俺、永野の事すっげー好き」
本当、今までなんで言えなかったんだってくらい、あっさりと俺の口から出た言葉。
ただ言いたい、そう思ったら無意識に口に出来た。俺って単純。
「もう今までみてーな関係じゃ物たり足りねぇの。永野を俺の物にしたい。てか、付き合いたい、です」
「…」
流石に恥ずかしくなって最後カタコトになったけど、気持ちを全て伝える事は出来た。
あとは永野の返答次第。
無表情で俺をジッと見る永野。考えているのか何なのか、とにかく俺は今は生死の境目に居る気分。
「永野…いて」
「久我は、俺のでしょ」
「は、はひ」
何故か永野が頬を摘まんで来て、俺は間抜けな声で返事をする。
「…だから、俺も、久我のだよ」
「!?」
一言そう言い、恥ずかしそうにぷいっと顔を背ける永野。
「ま、まひでふか」
「何言ってるか分からない」
それは永野が頬を掴んでるからだろ!
俺は永野の腕を掴み、もう一度再確認。
「今の、マジ?」
「うん」
「俺は永野の物で、永野は俺の物?」
「そう言ったでしょ」
「永野は俺の恋人?」
「…うん」
永野は俺の…恋人!!!!
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