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田渕の本気

「とい言う事で、永野に挿れるのは禁止だからな!」 「それは残念だ!」 「永野のちんこ挿れんのは?」 「あー?んー…俺が居ない所では禁止!」 「久我の基準が謎だな」 「確かに」 付き合い始めた久我と永野だが、今まで通り俺達とヤる事はヤるらしい。 田渕の言う通り、永野に挿れられないのは少し惜しいなと思ってしまう自分に驚く。 田渕に突っ込んでしまった日から、俺はとうとうこいつらの仲間入りをしてしまった。 「なんなんら、俺達も付き合っちゃうか?」 するとガバッと田渕が抱きついて来る。 こいつは、俺の気も知らないで。そもそも、俺をこっちの道に連れ込んだのはこいつだ。 「俺は、男と付き合う気はねぇよ」 「む。まだそんな事を言うのか」 ぶすっと拗ねた様に唇を尖らせる田渕に、俺は無意識にきゅんとしつつ慌てて引き離す。 俺はまだ、ノンケだ。 **** 「っあ、ん…さかきばらくんっ」 「…は、…」 放課後、俺はいつも使っている教室で女と行為に浸っていた。 組み敷いた下には、露わになった胸を荒い呼吸で揺らし、細く柔らかい腰をくねらせ甘い声を漏らす女。 いつもの様に抱いているはずなのに、何故か物足り無さを感じている俺。 普通に可愛いし、気持ちい。ちんこもちゃんと勃起してる。なのになんだ、この感じは。 「やぁ、も、イっちゃう」 「っ、イけよ」 それを紛らわせるかの様に、女と腰を掴み素早く腰を打ち付ける。 そしてふと頭をよぎる、田渕とヤった時の事。 顔を赤く染め、ズレた眼鏡から覗く涙に滲む瞳。必死に俺に抱き付いて気持ち良さそうに喘ぐ田渕。

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